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WG1 第1作業部会(自然科学的根拠)

第1作業部会会合が2021年7月26日(月)から8月6日(金)にかけてオンラインにて開催され、「人間活動が20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な要因であった可能性が極めて高い(可能性95%以上)」とした2013年の第5次報告書(以下「AR5」と略す)から8年ぶり改定となる第6次報告書(以下「AR6」と略す)が8月9日に公表されました。

目次

主な結論(概要)

地球温暖化の原因

  • 人間活動が大気・海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない
    →AR5では人間活動による温暖化の影響については極めて高い(95%以上)とする報告であったが、AR6では、より確信度を引き上げた表現となった。
  • 大気中の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素は、過去80万年間で前例のない水準まで増加している

現状(観測事実)

  • 2019年の大気中のCO2濃度は410ppmであり、工業化前より約47%高くなっている
  • 世界平均気温(2011~2020年)は、工業化前と比べて約1.09℃上昇
    陸域では海面付近よりも1.4~1.7倍の速度で気温が上昇
    北極圏では世界平均の約2倍の速度で気温が上昇
  • 陸域のほとんどで1950年代以降に大雨の頻度と強度が増加
  • 強い台風(強い熱帯低気圧)の発生割合は過去40年間で増加
  • 北極の海氷(2010~2019年)は、1979~1988年と比べて、海氷が一番少ない 9月で40%減少、海氷が一番多い3月で10%減少
  • 世界の平均海面水位は1901~2018年の間に約0.20m上昇

将来予測

  • 今世紀末(2081~2100年)の世界平均気温の変化予測は、工業化前と比べて+1.0~5.7℃
  • 今世紀末(2081~2100年)の年平均降水量は、1995~2014年と比べて、最大で13%増加
  • 世界規模では地球温暖化が1℃進行するごとに、極端な日降水量の強度が約7%上昇
  • 2100年までの世界平均海面水位は、1995~2014年と比べて、0.28~1.01m上昇

第1作業部会における主なポイント

気候変動の原因

温暖化の原因については、表にあるように、第1次報告書では「気温上昇を生じさせるだろう」という表現にとどまっていましたが、AR5では人間活動が原因である可能性が極めて高い(95%)と発表されました。AR6の今回は「疑う余地がない」とさらに踏み込んだ断定的な表現となりました。

  • 表「これまでの報告書における表現の変化」ダウンロードはこちら

気温

世界平均気温は工業化前と比べて、2011~2020年で1.09℃上昇したとしています。この観測値は過去10万年間で最も温暖だった数百年間の推定気温と比べても前例のないものであるとされています。
また、陸域では海面付近よりも1.4~1.7倍の速度で気温が上昇し、北極圏では世界平均の約2倍の速度で気温が上昇するとしています。
人間の影響が、熱波と干ばつの同時発生、火災の発生しやすい高温、乾燥、強風等の気象条件や極端な降雨や河川氾濫と高潮の組み合わせによる洪水をはじめとした「複合的な極端現象 」の発生確率を高めています。
気温の将来予測について、21世紀半ばに実質CO2排出ゼロが実現する最善シナリオ(SSP1-1.9)においても2021~2040年平均の気温上昇は1.5℃に達する可能性があると発表しています(※1)。化石燃料依存型の発展の下で気候政策を導入しない、最大排出量のシナリオ(SSP5-8.5)においては、今世紀末までに3.3~5.7℃の昇温を予測しています。
(※1)…1.5℃に達する可能性がどちらかといえば高い(50%以上の可能性)

図 世界平均気温の変化(1850~2020年・観測)
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図 世界平均気温の変化予測(観測と予測)
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図 極端な高温の予測される変化
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図 年平均気温の変化の予測
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図 世界平均気温の変化予測(観測と予測)
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図 極端な高温の予測される変化
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降水量

陸域の平均降水量は1950年以降増加しており、1980年代以降はその速度が上昇したと発表しています。また、今世紀末(2081~2100年)の年平均降水量は、1995~2014年と比べて、最大で13%増加するとの予測を発表しています。世界規模では地球温暖化が1℃進行するごとに、極端な日降水量の強度が約7%上昇するという予測もなされています。

図 年平均降水量の変化の予測
ダウンロードはちら
図 大雨の予測される変化
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海面水位の変化

世界の平均海面水位は1901~2018年の間に約0.20m上昇したと発表しています。
また、2100年までの世界平均海面水位上昇量は、1995~2014年と比べて、0.28~1.01m上昇するとの予測を発表しています。
特に、海面水位の上昇は気温とは違い「数百年から数千年のタイムスケールで不可逆的なもの」だと報告書は述べています。つまり、気温上昇は止まることがあっても、その後も海面水位は上昇を続けるということです。
今後2000年の間に海面水位は最大で22メートル上昇する可能性があるとし ています。

図 世界平均海面水位の変化予測(観測と予測)
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図 世界平均海面水位の変化予測(観測と予測)
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北極などの雪氷圏における海氷の変化

北極の海氷(2010~2019年)は、1979~1988年と比べて、海氷が一番少ない9月で40%減少、海氷が一番多い3月で10%減少したと発表しています。
また、AR6で考慮されている5つのシナリオにおいて、北極圏では、2050 年までに1回以上、9月に実質的に海氷のない状態となると予測されています。また、氷河の融解は数十年から数百年にわたり継続すること、グリーンランド氷床の損失が21世紀の間継続することも指摘されています。

  • 図「北半球9月の海氷面積予測」ダウンロードはこちら

CO2の累積排出量と気温上昇幅の関係

CO2の累積排出量と気温上昇量の変化はほぼ線形関係(比例関係)にあることがAR5に引き続き、再度記述されています。つまり、気温上昇上限から総累積排出量の上限が決まるということです。
AR6では、産業革命以降、CO2は約2兆4000億トン排出されており、工業化前からの気温上昇を1.5℃に抑える(67%以上の確率で抑える)ためには、残りの排出量上限はあと4000億トンであることも示されました。また、気温上昇をあるレベルで止めるためには、CO2累積排出量を制限し、少なくとも正味ゼロ排出を達成し、他の温室効果ガスも大幅に削減する必要がある、としています。

  • 図「CO2累積排出量と気温上昇量の関係」ダウンロードはこちら
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