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vol.2 HFCなど3ガスの扱いなど議題別の議論が始まる

2日目は、朝から夜までSBSTAやSBIの全体会合が開催され、残りの議題についてそれぞれの交渉の進め方について話し合われました。
SBSTA の全体会合(写真右)は、10時からの開催された全体会合で京都議定書で削減の対象となっているハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボ ン(PFC)など3つの温室効果ガスについて討議を行いました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)とオゾン層を破壊する物質に関するモントリオー ル議定書のプロセスで科学的・技術的な助言を行う科学アセスメントパネル(TEAP)から、HFCなどオゾン層破壊しない代替物質に関する特別報告書をつ くるかどうかについて報告がありました。モントリオール議定書でオゾン層破壊物質の代替物質として使用が認められているHFCなど3つのガスが、京都議定 書では強力な温室効果ガスとして削減対象となっている現状から、IPCCとTEAPが協力して1つの統合報告書を作成するか、IPCCとTEAPで別々に 2つ報告書を作成するかについて各国の意見が対立しています。多くの国は、第11回締約国会議(COP11)までに、IPCCとTEAPが協力して1つの 統合報告書を完成させることを指示しています。具体的な交渉は、SBSTA16と同じく、リチャード・ブラッドリー氏(アメリカ)を議長とした非公開の協 議グループで行われることになりました。
クリーン開発メカニズム(CDM)で実施する吸収源事業に関する議論が行われました。第7回締約国会議(COP7)でまとまったマラケシュ合意では、第 1約束期間(2008年から2012年)の削減目標の達成に、クリーン開発メカニズム(CDM)のもとで実施する植林、再植林事業から得られる削減量を使 えることになりました。これをうけ、SBSTAでは、第9回締約国会議(COP9)での採択に向けて、以下の点を検討することになっています。植林および 再植林の定義などについて交渉が行われましたが、特に再植林の定義をめぐり各国の意見が対立しました。具体的な議論は、議題別の会合で継続されることになりました。SBSTA16に引き続き選出されたテルマ・クルッグ氏(ブラジル)とカルステン・サック氏(ドイツ)が共同議長を務めます。
15時から開催されたSBSTAの全体会合では、2001年に発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第3次評価報告書(TAR)の内容 をどのようにSBSTAの活動に生かしていくかが話し合われました。EUが温室効果ガス排出量の安定化に関する方法論について話し合うことを提案しました が、アメリカや途上国グループが反対しました。結局、具体的な議論は、共同議長スー・バレル氏(オーストラリア)とS.K.スリヴァスタ氏(インド)のもと、非公開の協議グループで行われることになりました。
一方、締約国会議のもう一つの補助機関であるSBIの全体会合では、途上国のための資金供与メカニズムの運用などに関する審議が行われました。
資金供与メカニズムの議論では、地球環境ファシリティ(GEF)から、マラケシュ合意によって新しく設置することになった特別気候変動基金や後発発展途 上国基金など気候変動関連の基金の運用手続きに関する報告がありました。後発発展途上国基金を利用するための作業がすでに進められており、COPから要請 があれば、影響や適応措置に関するより詳細な指針を採択する準備があると発言しました。さらに、COPが追加的な指針を決定するまでは、特別気候変動基金については、GEFの現在の運用手続きを適用することを考えていると述べました。
数カ国からは、GEFの事業手続きをもっと簡素化してほしい、特別気候変動基金や後発発展途上国基金を早く利用できるようにしてほしいなどという意見が 出されました。結局、SBI議長ラウル・エストラダ・オイエラ氏(アルゼンチン)がこの議題に関する SBI17における議論のまとめを作成することになりました。

デイリープログラム(英文)
COP8ウェブ中継 (英語) COP8やSB17の会議、記者会見の様子をインターネットで見ることができます。

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