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vol.12 交渉は波乱続き…

透明性の高い合意形成プロセスを求める途上国の強い要望により、当初考えられていた3つの分科会による会合が、別の会議形態に急遽変更となりました。午前中にプロンクCOP6議長のもと開催された非公式閣僚会議全体会合で、各論点をいくつのグループ分け交渉するのかなど議論の進め方についてなかなかまとまりませんでした。結局、以下の4つのグループに別れて議論されることに落ち着きました。それぞれのグループには2つの国の閣僚が共同議長を務め、交渉をまとめることになりました。川口順子環境庁長官は京都メカニズムのグループで共同議長をブラジルの大臣と一緒に務めます。

グループA

 

キャパシティー・ビルディング
技術移転
途上国への支援と補償
地球環境ファシリティー(GEF)のガイドライン
グループB 京都メカニズム
グループC  土地利用、土地利用変化と林業(いわゆる吸収源)
グループD 遵守制度、議定書第5条、7条、8条(排出量と吸収量のモニタリング、報告、審査)、 政策と措置

まず今日は、各論点についてプロンクCOP6議長がまとめた交渉テキスト(プロンクペーパーとよばれる)をもとに非公式閣僚会議全体会合で意見交換が行われました。その後それぞれ共同議長のもと4つの論点グループに別れ、非公開で交渉が続けられました。
スタートが遅れた感が否めない中、各国譲らない交渉が続けられています。COP6は残りあと実質2日しか予定されていません。水面下の交渉が続けられているものの、先が読めない状態が続いています。
さらに詳細にお知りになりたい方は、アースネゴシエーションブレティン/ENB(英語>PDFPDF)/(日本語>PDFPDF)をご覧ください。

今日のプログラム

10:00 – 13:00 スピーチ
・各国の大臣、閣僚によるスピーチ(27カ国)
10:30 – 13:00 非公式閣僚会議全体会合
・キャパシティー・ビルディング
・技術移転
・途上国への支援と補償
・地球環境ファシリティー(GEF)のガイドライン
15:00 – 24:00 スピーチ
・各国の大臣、閣僚によるスピーチ(94カ国)
15:00 – 18:00 非公式閣僚会議全体会合
・京都メカニズム
21:00 – 23:00 非公式閣僚会議全体会合
・土地利用、土地利用変化と林業(いわゆる吸収源)
21:00 – 24:00 非公式閣僚会議全体会合
・遵守制度
・議定書第5条、7条、8条(排出量と吸収量のモニタリング、報告、審査)
・政策と措置

ピックアップ −吸収源に関する米・加・日共同提案の分析−

14日、アメリカ、カナダ、日本が議定書の第3条4項に含む活動ととして「森林管理」をあげ、2008年から2012年の第1約束期間から算入する提案を行いました。昨日、アメリカが非公式閣僚会議の全体会合で、この提案に関する具体的な数値を提示しました。(写真下)

全ての国が森林保全活動による吸収量を毎年2000万トン(炭素換算)まで算入でき、それを超える量については、3分の2割り引く(3分の1だけ算入する)という提案でした。
これについてEUが8月1日に各締約国が条約事務局に提出した吸収源に関するデータをもとに分析を行い2つのケースについて記者発表をしました。
提案された数値をもとに計算した場合、先進国(附属書B締約国)全体で1990年比で5.8%吸収量の算入ができ、日本は3.4%、アメリカは6.7%、カナダは5.5%を吸収量として算入できる結果となっています。
また、割引率を90%に設定する(10%だけ算入する)と、先進国(附属書B締約国)全体で1990年比で3.5%の吸収量の算入ができ、日本は3.4%、アメリカは4.3%、カナダは7.2%を吸収量として算入できる結果となっています。
WWFや地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)でも同じような試算を行い発表しています。

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