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堺市立日置荘小学校

目次

カリキュラム概要

都道府県名大阪府
設置区分公立
学校名堺市立日置荘小学校
学校概要クラス数26(児童数 641名​)
校長 稲葉淳郎
堺市中心部(市役所)より南海高野線に沿って南東に6.6kmの位置にある。標高42.1m東に向かっての緩やかな丘陵上にあり、校区内には溜池が点在しているが、農地は少なく宅地が広がっている。学制発布された1872年の啓蒙学館にはじまる国内でも歴史のある学校。
これまでの取り組み本校では、6年生の「総合的な学習の時間」において、年間を通してSDGs(持続可能な開発目標)をテーマに据えた学習に取り組んでいる。
1学期には、廃棄物や環境汚染などの身近な問題から出発し、SDGsの基本的な考え方への理解を深めた。2学期には、ユニクロが全国の小・中・高等学校を対象に実施している「届けよう、服のチカラ」プロジェクト(2019〜2022)に参加し、衣服のリサイクルや難民支援を通じて、児童の視野を世界へと広げる学びを展開した。3学期には、それまでの学習内容をもとに、自分たちの意見を整理・構築し、発表する活動を行った。
昨年度からは、SDGsの17の目標のうち、特に「目標13:気候変動に具体的な対策を」に焦点を当てた実践を展開している。気候変動を地球規模の課題として捉えるだけでなく、地域社会や日常生活との関わりの中で考察を深め、より主体的な学びへとつなげている。
教育目標自ら学びを進める子どもの育成
~そのために必要な,授業改善,心身の健康,環境整備,人権教育とは~
学年6年生(3クラス112名)
テーマ未来の自分プロジェクト
目標SDGsにかかわる活動を通して、自分たちがつくる未来について考え、行動し、広めて責任や思いやりの心を育てる。
内容1学期は「知る」をテーマに、気候変動の影響について調べ、発表を行った後、地球温暖化防止ネット理事長の高田研様をゲストティーチャーとして招き、専門的な知識を学んだ。
2学期は、気候変動を抑えるためにできる行動を考え、自転車活用に注目。市役所自転車企画推進課の方の講話や、シマノ自転車博物館への校外学習を通して理解を深めた。その上で、自動車の利用を減らす取組として、地域の店に自作ポスターを掲示し呼びかけを行った。
3学期は活動を振り返り、自らの行動が変わっていないことに気づき、「灯台下暗し」と捉え、独自の二酸化炭素指数を用いて身近な暮らしの見直しと実践に取り組んだ。
大切にしたこととにかく子どもたちの思考に寄り添い、単元や学習、探究を計画していくこと。そして、地域のリソースを積極的に活かし、さらに地域に訴えかけていくことを大切にした。
例えば、1学期の「知る」をテーマにした探究では、地球温暖化で現在起きていることを簡単に紹介した後、平均気温が約1.1度上昇していることにも触れた。すると子どもたちから「たった1.1度だけで何が変わるのか」という率直な疑問が出された。そこで、1学期はその問いに向き合いながら学習を構成し、調べ、発表した後、地球温暖化防止ネット理事長の高田研様をゲストティーチャーに招き、専門的な知見から理解を深める学びへとつなげた。
スケジュール
外部協力者地球温暖化防止ネット 理事長 高田研様
シマノ自転車博物館
堺市役所自転車企画推進課
秋田市地球温暖化防止活動推進センター

フォトギャラリー

取り組み

4月(4時間)

NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」より「暴走化する温暖化」の映像を視聴し、2050年の気温予測などを知ることで、地球温暖化に関する危機感を共有した。その上で、1年間の探究の出発点として課題設定を行った。

5月(8時間)

「気候変動により、世界や日本ではどんな影響が出ているのか」を主題に、児童一人ひとりが調べたいテーマを設定。国内外の気候変動による現象や課題について、本やインターネットを活用して情報収集を行った。

6月(8時間)

5月に調べた内容をもとに、パワーポイントや画用紙、模造紙などを使ってまとめ・表現活動を行った。自分の言葉で整理・分析し、クラス内で発表する場を設けた。

7月(4時間)

地球温暖化防止全国ネット理事長の高田研様を招き、講話を通して地球温暖化の現状と課題を専門的に学んだ。また、1学期の探究を振り返り、2学期の学習の方向性について話し合った。

8月(0時間)

夏休みのため授業は実施せず。

9月(8時間)

2学期のテーマと課題設定を行い、「堺市や身近な地域で、気候変動に対してどんな取り組みが行われているのか」「自転車利用はどう関わっているのか」といった観点で新たな探究を開始。自転車活用を軸に、アイデア出しを行った。

10月(8時間)

各自が自転車活用について情報を集め、シマノ自転車博物館の見学や堺市役所自転車企画推進課の方へのヒアリングを通じて、地域の取り組みを学んだ。

11月(8時間)

調査・ヒアリングで得た知識や気づきを整理し、学んだことをどのように社会に発信するかを考えた。地域に向けたアクションとして、ポスターや案内チラシの作成、市役所へのプレゼンテーションなどを企画した。

12月(8時間)

グループごとに具体的なアクションプランを立て、電話でアポイントメントを取り、実際に行動へ移した。地域の和菓子屋や理髪店、スーパー、コンビニ、区役所にポスターを掲示したり、市役所にプレゼンを行ったり、校内向けのチラシ配布なども行った。

1月(4時間)

1・2学期の活動を振り返るため、児童に行動変容に関するアンケートを実施した。回答には、「自転車を呼びかけているが、自分たちは近距離でも自動車を使っている」「今の生活は脱炭素とは言えない」といった意見が多く見られた。また、「一人では変わらないので、みんなで取り組みたい」との記述もあった。これらの結果をもとに、3学期の課題を「自分たちの暮らしの中でできる脱炭素の実践」と設定し、各グループで具体的な取り組み内容の検討を行った。3学期は、身近な生活に焦点を当てた探究活動を展開した。

2月(8時間)

インターネットを活用して、日常生活で取り組める脱炭素行動を調べ、表に整理した。「ポイント制にすると取り組みやすい」という意見を受け、行動の難易度に応じてポイントを設定し、グループごとに実践を行った。取り組み内容には、「電気を消す」「エアコンの温度を調整する」「自転車を使う」などが含まれる。これにより、多くの児童が家庭や学校で具体的な脱炭素行動に参加した。

3月(4時間)

1年間の取り組みの総括を行った。1学期は気候変動の現状について調べ、専門家の講話を通して知識を深めた。2学期は自転車活用を中心に、自らが地域に働きかける活動を実施した。3学期はアンケート結果をもとに、自分たちの生活に目を向け、脱炭素の実践に取り組んだ。それらの活動を振り返り、気づきや変化、課題を共有し、学びの成果を整理した。

児童の変化

<児童・生徒の変化について>

1年間の実践を通じて、児童は自身のライフスタイルを見直すきっかけを得ることができた。

1学期では、地球温暖化に関する危機意識を高める導入として、NHKスペシャルなどを視聴し、予測される未来や現状について知識を深めた。自分ごととして捉えることはまだ難しい様子も見られたが、インタビュー活動や講演会などを通して、徐々に温暖化の影響が身近であると理解し始めていた。

2学期には、地域や身近な場所での温暖化対策の実践に目を向けるようになり、グループでの調査やアクションプランの作成、地域の施設や市役所への働きかけなど、主体的に行動する姿が見られるようになった。自分たちの行動が社会につながるという実感を得たことで、問題意識がより深まり、「自分にできることをやってみよう」という意識の変化が見られた。

一方で、2学期までの実践では「地域社会への働きかけ」を意識するあまり、自分たち自身の行動変容が十分に伴っていないことが、アンケートを通して明らかとなった。そこで3学期は、より身近なアクションに焦点を当て、自らの行動変容を目的とした実践を行った。具体的には、グループやクラスごとに実践内容を検討し、「電気をこまめに消す」「エアコンの温度を調整する」「自転車を使う」など、日常生活の中で取り組める活動を実行した。

取り組みの中では、家庭での実践内容について保護者のサインを必要とする仕組みを設けたため、自然と家庭にも取り組みの内容が共有され、児童のみならず保護者自身の生活スタイルにも変化を促す結果となった。実際に授業中、児童からは「自分よりも親のほうが頑張っていた内容もあった」といった声も複数聞かれ、児童を通じて大人の行動変容も起きていたことが分かる。また、児童はマクロ(地球環境や社会全体)の視点から、ミクロ(自分自身の生活)の視点へと落とし込んで実践する中で、「意外と自分にもできることが多い」という気づきを得ていた。このように、自らの行動が社会全体につながっていることを実感し、小さな取り組みにも意義があると感じる経験となった。

これら1年間の実践を通じて、児童は地球規模の課題を自分ごととして捉え、生活を見直す視点を身につけた。小さな行動の積み重ねが未来を変える力になることを実感する学びとなった。

<児童・生徒の変化をどのようにして評価したのか>(アンケート等)

フォームスによるアンケート調査を行った。

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