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2-4 私たちの食物への影響について

農作物や漁業は、天候に大きく影響を受けます。地球温暖化が進むと、ある場所には雨がたくさん降ったり、ある場所は雨が降らなくなったりして、食糧の生産に大きな悪影響が出ると言われています。海の魚も海流の変化などにより、獲れる量が変動することが心配されています。

すでに、世界中ではたくさんの人が飢餓に苦しんでいます。地球温暖化で気候が変化すれば、このような人たちはさらに追いつめられます。一方で、私たちが住む日本では、食べ残しや売れ残りの食べものが、毎日大量に捨てられています。しかし、日本は、世界有数の食糧輸入国です。アメリカやフランス、ドイツ、イギリスなど他の先進国と比べても日本の食料自給率は特に低く、わずか38%(カロリーベース)しか自給していません。(引用文献*1)

気候変動は、食料の生産量とも密接な関係があります。温帯地域、熱帯地域のいずれにおいて、小麦、大豆、米、トウモロコシの主要 4 農作物の収量マイナスの影響を及ぼす可能性が指摘されています。(引用文献*2)
日本はパンや麺の原料で ある小麦や味噌・しょうゆ・豆腐等の原料である大豆をアメリカやカナダ、オーストラリアから、輸入しています。これらの国々での収量が減ることは、輸入に頼っている日本にも大きな影響を及ぼすことが考えられます。

また、日本のコメは、温暖化により、北日本では収穫量が増え、西日本では高温による生育障害が起こることも想定されるなど収穫量が減ることが予測されています。(引用文献*2)

さらに、最も温暖化が進んだ場合、現在の乾燥地域では干ばつの頻度が21世紀末までに増加する可能性が高くなり、乾燥亜熱帯地域では、再生可能な地表水と地下水の資源が減少すると予測されています。逆に、高緯度地域では水資源の増加が予測されています。大雨による堆積物や汚染物質の増加、洪水による処理施設への障害などは、水道原水の質を低下させ、飲料水にリスクをもたらすと考えられています。(引用文献*3)

水問題に限らず、食料需要の増大、バイオ燃料の原料としての需要増大、投機資金の流入など、さまざまな理由によって国際的に値上がりする傾向にあります。世界各地の食料供給のこうした不安定な要素に加えて、将来、温暖化が進めば、さらに深刻な影響が及ぶことが懸念されます。(引用文献*3)

引用文献

*1 農林水産省「日本の食料自給率」
*2 環境省 「STOP THE 温暖化2017」
*3 環境省 「STOP THE 温暖化2015」

もっと知りたい人へ

農林水産省 「知ってる?日本の食料事情」〜日本の食料安全保障と食料自給率・食料自給力〜 
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/index.html

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