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vol.6 静かに始められた2012年以降の対策につながる議論

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第3次評価報告書(TAR)の内容をどのように今後の補助機関会合(SB)の議論に反映させていくのかを話し合う会議では、共同議長が作成した新しい第16回科学的、技術的な助言に関する補助機関会合(SBSTA16)まとめ案(6月7日に配布されたものを改訂したもの)をベースに議論が引き続き行われています。
議論の内容は、以下のようなものです。
・このIPCC第3次評価報告書に関する議論を、締約国会議(COP)、SBの恒常的な議題とするかどうか。
・IPCC 第3次評価報告書が指摘している問題で、特に、研究と観測システム、影響の科学的、技術的かつ社会経済的側面と、脆弱性・気候変動に対する適応策、そし て、気候変動対策の科学的、技術的かつ社会経済的側面の3つについて、これまでのSBSTAの議題でカバーされていないものをどう扱うか。
気候変動枠組条約第2条の「究極の目標」との関係でIPCC第3次評価報告書が指摘している内容をどう評価するか。
・SBIの議題、特に資金供与の議題で、IPCC第3次評価報告書の中で指摘されている内容についても途上国に資金供与が適切に行われるな検討が行われるように要請するかどうか。
・今後の議論のベースとするために、優先すべき研究エリアや科学界とIPCCへの質問、気候変動枠組条約第2条「究極の目標」を科学的、技術的かつ社会経済 的な側面から理解するためにIPCC第3次評価報告書をどのように活用するかなど5つの点について各国から意見を提出するかどうか。また、その提出期限を いつにするか。
IPCCでの新しい科学的知見をさらなる温暖化対策を進めるきっかけにしたくないアメリカ、2012年以降の対策も強化していきたい小規模島しょ国 (AOSIS)、2012 年以降の対策には途上国を参加させたい日本、カナダ、EUなど先進国と、2012年以降の対策に参加したくない中国など途上国の思惑が複雑に絡んでいて、 なかなか議論が進みません。特に長期的な温暖化対策を検討するきっかけとなる気候変動枠組条約第2条の「究極の目標」との関係について、各国の議論が対立ししました。議論は午前1時まで続きましたが、結局まとまらず、明日また議論を続けることになりました。

デイリープログラム(英文)

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