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会議の「透明性」

このCOP16/CMP6で、エスピノーサCOP/ CMP議長の「透明性(transparency)」という言葉を何十回聞いたかわかりません。

コペンハーゲンのCOP15では、会議の始まる前から議長国であるデンマーク首相が「コペンハーゲン合意」のドラフトを作成していたことが英紙ガーディアン(電子版)にリークされ、120名近い各国首脳が参加していたにもかかわらず、二十数カ国の首脳だけで「コペンハーゲン合意案」を作成し、これを「いまここで受諾しろ」と迫ったりして、会議の「透明性」が大きな問題になりました。これが「コペンハーゲン合意」が「留保する」との決定になった大きな理由です。

今回のCOP16/CMP6では、エスピノーサCOP/ CMP議長は徹底して「透明性ある運営」を心がけていました。メキシコ大統領も会議に貼り付き、何度も会議参加者との「Q&A」を行うなど、広く意見を聞く姿勢を示していました。会議のなかの各国の発言で、エスピノーサCOP/ CMP議長の「透明性ある運営」への感謝の言葉が多く聞かれました。このことがこうした合意が成立した大きな要因のように思います。

世界の環境NGOのネットワークは、最終日の12月10日の「今日の宝石賞(RAY OF THE DAY)」にメキシコ政府を選びました。

*「今日の宝石賞」は「今日の化石賞」の逆で、「今日の宝石賞」は、その日の交渉でもっとも前向きの環境的な発言や行動をした国に与えられます。

執筆:早川光俊
(一般社団法人地球温暖化防止全国ネット運営委員/地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)専務理事)

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