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サイドイベント会場はどんなところ?

 今回は、サイドイベント会場を紹介します。交渉が行われている国際コンベンションセンター(ICC)のすぐ近くにダーバンエキシビジョンセンター(DEC)があります。ここに、各種団体による展示ブースや、サイドイベント会場があります。

 COP期間中、多くの各国政府、国際機関、NGOなどが、自らの成果のお披露目のためにサイドイベントを開催します。もともとは、お昼休みと会議終了後の夕方の時間帯だけでしたが、近年は、開催希望が多いため、サイドイベント開催時間を拡大しています。

 今日は(12月2日)、国立環境研究所とマレーシア工科大学(UTM)との共催で、「アジア低炭素社会:計画策定から社会実装へ」と題するサイドイベントが開催されました。このサイドイベントは、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を半減させるために、アジア全体および日本・中国・インド等がどのような排出削減経路をたどっていくべきか、そして、マレーシアのイスカンダル開発地域を対象に行われているシナリオ研究とその社会実装への取り組みについて最新の研究成果が報告され、政策実施機関の参加も得て、活発な議論が行われました。


写真1 国立環境研究所とマレーシア工科大学との共催のサイドイベントの様子

 会場内には、たくさんの政府、国際機関、NGO等による展示ブースが並んでいます。


写真2 各国政府/各種団体等のブースを回って説明を聞いたり、パンフレットをもらったりする会議参加者

 希望する各団体に与えられるスペースは狭いのですが、各団体が事業や研究成果等のアピールのために工夫をこらして展示しています。


図1 ブースの例。展示の仕方で印象ががらっと変わります。

 すっかりおなじみになった、気候変動アクション・ネットワーク(CAN)の化石賞(Fossil of the Day Award)授与式もこの会場で行われます。これは、交渉で温暖化対策に後ろ向きな発言をした国に贈られる不名誉な賞で、COP5以降毎回開催されています。毎日18時頃になると、”Fossil of the Day”の歌が会場に響きます。


写真3 化石賞の旗と表彰台

 このサイドイベント会場のほか、いくつかの国/地域がパビリオンを設置しています。ここでもサイドイベントが開催されています。そのひとつ、アフリカパビリオンに入ると、アフリカの原生林(の展示)が広がっていて、住居も展示されています。


写真4 アフリカパビリオンの展示

 このように、交渉以外にも、COP会議場周辺では、数えきれないほどのイベントが行われています。このすべてが地球温暖化に関連しており、問題の大きさを改めて感じさせられます。そして、COPは、様々な観点から地球温暖化問題に取り組んでいる人が一堂に会する場です。成果をアピールするには絶好の機会ですし、ここから新たなネットワークが広がっていくこともあります。筆者は、大きな合宿あるいは同窓会のように感じることがあります。仕事ですから、苦労があるのはもちろんですが、年に1度のCOPを楽しみにしている関係者も少なくないように思います。

執筆:久保田 泉
(国立環境研究所 社会環境システム研究センター)

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