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vol.4 COP9、SB19開幕

2003年12月1日、イタリア、ミラノにあるミラノ見本市会場(Fiera Milano Conference Centre)で、気候変動枠組条約第9回締約国会議(COP9)と第19回補助機関会合(SB19)が雨の中開幕しました。午前中に、COP9の全体会合が、午後に2つの補助機関会合の全体会合がそれぞれ行われ、議長の選出や議題の採択、議論の進め方が決められました。

締約国会議の全体会合

COP9議長に、ハンガリーのミクロス・ぺルザ二環境水大臣が選出され、「多くの国々が京都議定書をすでに締結し、発効前にもかかわらず、多くの国で対策を実施しようとしていることはとても重要だ。希望がない人はミラノには来ないのだから、会議の成果を次につなぐ大きなステップとしよう。」と抱負を語りました。 (写真右Photo courtesy of IISD/ENB)
条約事務局より、すでに120カ国が京都議定書を締結し、先進締約国(附属書締約国)の1990年の排出の44.2%を占める国が締結したと報告がありました。議長は、来年には議定書が発効することを期待すると述べました。
途上国グループの代表しモロッコやジンバブエは、頻発する異常気象により深刻な影響がでつつあり、特に途上国はその被害を深刻に受けることに触れ、温室効果ガスを世界一排出しているアメリカにすぐに京都議定書の交渉プロセスに戻ること、そして、ロシアに京都議定書を早く締結することを強く訴えました。また、EUの代表も、アメリカの京都議定書への参加とロシアの早期議定書締結を訴えました。
COP9の議題を2つの補助機関会合などで議論し、12月9日までにまとめることとなりました。また、12月10日から12日まで予定されている COP9の閣僚級会合では、10日と 11日には大臣たちによる以下の3つのテーマ別ラウンドテーブルが開催されることが確認されました。それぞれのラウンドテーブルは、先進国の大臣と途上国の大臣2人が共同で議長を務めます。
 1.気候変動・適応・緩和(削減対策)・持続可能な開発
 2.技術(利用と開発)、技術移転
 3.進捗の評価

補助機関会合の全体会合

気候変動枠条約には、最高意思決定機関である締約国会議と2つの常設の補助機関(SB)である、実施に関する補助機関(SBI)と、科学的、技術的な助言に関する補助機関(SBSTA)があります。
午後は、第19回実施に関する補助機関(SBI19)と、第19回科学的、技術的な助言に関する補助機関(SBSTA19)それぞれの全体会合が同時並 行で開催され、それぞれの議長の選出や議題の採択、議論の進め方などが決められました。実質的な議論は、議題別に開催される会合で行われることとなりました。
京都メカニズムの1つであるクリーン開発メカニズム(CDM)のもとで行うことができる2種類の吸収源活動「新規植林」「再植林」の定義に関する議論は SBSTAで、先進国から途上国への資金供与メカニズムとしてCOP7で新しく設置することが合意された「特別気候変動基金」を運営するための手引きや、COP8で決めた行動計画を踏まえた地球温暖化に関する教育、トレーニング及び市民の意識啓発に関する議論は、SBIで行われます。
・デイリープログラム(英文) 

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