MENU

vol.32 歴史的な第一歩を踏み出す合意が遂に成立

午前10:00過ぎ、前日から続いた徹夜の交渉の末、途上国問題、吸収源、京都メカニズム、遵守制度の主要な論点について包括的な合意(>PDF)が成立しました。最後の最後まで日本が京都議定書の遵守制度に法的拘束力のある帰結をもたせる事に対し反対したため、プロンク議長の新しい最終合意案の遵守制度の部分で一部内容を変更し、合意を成立させました。変更点は以下のとおりです。
(Photo courtesy of IISD/ENB-Leila Mead)
遵守問題
* 削減目標が達成できなかった場合の帰結について、温室効果ガスの削減が遅れたことによる環境被害に対する補償が削除
* 遵守制度を採択する手続きが、 COP6で遵守制度の詳細について合意をし、それを京都議定書が発効された後に開催される第1回議定書の締約国会議(COP/MOP1)で正式に採択するというものに変更
その他の内容は、基本的にプロンク議長の新しい最終合意案がそのまま合意された形になっています。全体的に、途上国問題の資金提供が自主的なものになったことで途上国が、吸収源と遵守ではEUがそれぞれ日本やカナダに譲歩した内容となっています。
11時55分から開催された閣僚級会合の全体会合では、プロンク議長から主要な論点について包括的な合意の成立について報告が行われ、会場にいた全ての 人が大きな拍手でそれを祝福しました。また、「この成果は、地球の気候について必要なものであるだけではなく、国連の枠組みの中における多国間の交渉の価値を強調するものである。」と評価を述べました。(写真右 EUのバストロム環境相と挨拶をかわす川口大臣)
その後、各国が合意を祝福するステイトメントを行いました。その中でEUは、カナダ、アイスランド、ノルウェー、ニュージーランド、スイスと共に途上国へ2005年までに年間4.1億米ドルの資金援助を行うという政治宣言を発表しました。途上国はこれを歓迎すると述べました。

プログラム (UNFCCC Daily Program)
アースネゴシエーションブレティン(ENB)23日号(英文)

ピックアップ -合意文書に対する評価について-

* 内閣総理大臣の談話 
* COP6再会会合での合意について(環境省記者発表資料)
* 気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP6)再開会合(閣僚会合:概要と評価)経済産業省記者発表資料 
* COP6 part2 中間報告 -速報-(地球産業文化研究所)

目次
閉じる