非公式閣僚会合 「日本は引き続きアメリカの参加を呼びかける」
6月27日、28日にオランダのハーグで、非公式閣僚会合が開催されました。開発途上国のみの非公式会合と先進国のみの非公式会合が事前に開催されたこともあり、合わせて130の締約国から370人の大臣を含む政府代表者が参加しました。
6月11日にプロンクCOP6議長が発表した新しい調停案(統合交渉テキスト)の扱いやその内容、今月ボンで開催されるCOP6パート2でのアメリカの参加や会合の進め方について議論が行われました。
各国から、「議長の新提案は先進国中心の協議によってまとめられたものだ。」、「吸収源の提案は、ある特定の先進国(日本だけ)のために特別に改訂され たものだ。」などの意見が出されました。結局、この新調停案をCOP6パート2の交渉のベースとするかどうかについては意見がまとまりませんでした。また、途上国への資金提供策について、途上国と先進国間の意見の相違が表面化するなど、なおも多くの課題が残されていることも改めて明らかになりました。
アメリカはCOP6パート2に参加するものの、議長の新提案に関する交渉には参加しないと述べました。ただし、気候変動枠組み条約の義務に関する議論 や、アメリカの貿易に影響を及ぼしたり、他の国際条約に抵触したりするような場合は、議定書の議論にも参加する姿勢を示しました。このようなアメリカの動きもあり、昨年11月、ハーグで開催されたCOP6に比べ、交渉を巡る情勢がより困難になっているようです。
日本代表団長の川口順子大臣は、2002年までの京都議定書の発効を目指し、COP6パート2の成功に向けて全力を尽くす。そして、アメリカの参加は重要であり、引き続き参加を呼びかけるという従来通りの姿勢を貫きました。
(アースネゴシエーションブレティンより抄訳>PDF)
(日本政府記者発表資料)
与野党が早期批准を求める首相に申し入れ
6月28日、小泉純一郎首相の渡米を前に、民主党、社会民主党、自由党、日本共産党の野党四党は、京都議定書の批准表明を要求する共同アピールを発表し、首相に手渡しました。
(京都議定書の批准表明を要求する四党共同アピール)
また、自民党、公明党、保守党の与党三党の環境担当者も小泉首相と会い、日本として早期批准の態度を明確にするように申し入れました。
(与党議員申し入れ)
地方も求める率先批准
7月1日までに東京都、京都府、熊本県など8都道府県議会、そして、札幌市、岡山市、高知市、福岡市など85市町村議会で、日本政府に対し京都議定書の早期批准などを求める意見書が採択されています。
(JCCCAブッシュ発言に関わる各国・各セクターの記者発表資料、声明等のページ)
批准を求める市民のアクションと首相へのメッセージ
6月28日に、地球温暖化防止京都ネットワークや環境文明21、ピースボートなど数団体が首相官邸の前で、アクションを呼びかけました。当日は渡米目前の小泉純一郎首相に対し、日本の京都議定書批准をアピールするため、80人の市民が集まりました。環境文明21の松尾和光さんは、「温暖化でこれ以上地球が暑くなったら困る。それを止めるには日本が京都議定書を早期批准するしかない。」と訴えました。
また、電子メールやファックスで、14000人を超える世界中の市民が日本の議定書批准の意思表示を求めるメッセージを小泉純一郎首相に送っています。
気候ネットワークは今年2月1日からスタートした「環境の世紀へ、変えよう!キャンペーン」の集大成として、7月1日に大集会「京都議定書、日本がまず批准を!」 を開催しました。 このキャンペーンには、215の市民団体が参加・賛同しています。これまでに日本中で開催されたイベント数は139です。
大集会には、200人の市民が日本中から集まりました。アメリカから自然資源防衛評議会(NRDC)大気・エネルギープログラム代表のデビット・ホーキンスさんがかけつけ、「日本の率先した批准が、アメリカを議定書交渉に戻す」と述べました。最後に、日本の率先批准を求めるアピール文を採択しました。
また、気候ネットワークは、「環境の世紀へ、変えよう!キャンペーン」の一環として、市民からの声を集める「ひと声アクション」を実施しています。現在、約5000件のメッセージが集められいます。集まったメッセージは全て、COP6パート2の会場で展示される予定です。