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vol.18 COP6議長ノートに対する日本政府のコメント

COP6議長ノートは、ハーグ会議開催中の11月21日に配布されたプロンクペーパーにまとめられている”crunch issues”(合意の得られていない課題に関して各国の主張を踏まえ、プロンク議長が23日の午後7時に提案した妥協案のことです。Box A 途上国問題(技術移転、資金供与メカニズム、途上国への支援と補償問題など)、Box B 京都メカニズム、Box C 吸収源、Box D 遵守制度(政策と措置も含む)の4つのBOXに分かれてまとめています。
この提案に対し2001年1月15日までに各国が意見を提出することがCOP6の決議として合意されました。
日本政府は1月18日、条約事務局にコメントを提出しました。Box C以外のBox A、Box B、Box Dに対するコメントは11月24日に開催された最後の非公式会合で提案したものをそのまま提出した形になっています。
日本政府の コメントの一部を以下にまとめました。
・Box A 途上国問題
資金メカニズムについて、議長ノートに「毎年10億ドル」とされていた追加的資金源を5年間で10億ドルと再提案しています。
・Box B 京都メカニズム
議長ノートにある「クリーン開発メカニズム(CDM)の事業として原子力関連事業は差し控える」いう文章を削除するよう求めています。
・Box C 吸収源
 議長ノートは今後の交渉のベースとして時代遅れのものであるとし、今後EUやアメリカなどの国と議論を継続させる必要があり、現時点ではコメントを提出する準備ができていないとコメントしています。
・Box D 遵守制度
「不遵守になった国は達成できなかった削減量を次の約束期間に1.5倍という利子(ペナルティー率)をつけて達成する」と議長ノートに書かれているものを利子を1.1倍にし、また利子の名前をインセンティヴ率に変更するよう提案しています。
1月26日に発表したCOP6パート2に向けたメッセージ(英文>PDFPDF)でプロンク議長は、これら各国のコメントを踏まえた新しい議長ノートを提案する予定があることを明らかにしています。どのような形で新しい議長提案がまとめられ、発表されるかが今後注目されることろです。
関連文書と関連情報の一覧  
・COP6議長ノート/Note By the Presidnet of COP6(英文>PDFPDF)(2000.11.23)2〜15ページ  
和訳(GISPRI訳)(CASA訳)
・11月24日COP6議長ノート配布直後の日本政府のブリーフィングの様子
 (ネゴシエーション・アップデートVol.24 2000.11.24より)
・日本政府 「11月23日付けCOP6議長ノート」に対するコメント(以下全て英文) (2001.1.18)
1. Box A: Capacity Building, Technology Transfer, Implementation of Articles 4.8/4.9; 3.14, Finance(途上国問題-資金供与メカニズム) (>PDFPDF)
2. Technology Transfer(途上国問題-技術移)(>PDFPDF 
3. Adverse effects of climate change(途上国問題-気候変動の悪影響をうける国について)(>PDFPDF)
4. Box B. Mechanisms(京都メカニズム)(>PDFPDF)
5. Box C. Sinks(吸収源)(>PDFPDF)
6. Box D. Policies and Measures, Compliance, Accounting, Reporting and Review(遵守)(>PDFPDF 
7. New Box(新提案-共同達成について)(>PDFPDF 

ピックアップ −COP6議長ノートの評価・分析−

このCOP6議長ノートは、決議で全締約国が認めている交渉のベースになり得る唯一の文書です。また、交渉の問題点が凝縮されており、今後の交渉のゆくえを探るうえで重要な情報がふくまれています。COP6議長ノート、またはそれに対する各国の意見の評価や分析が以下に述べられています。
・(財)地球環境文化産業研究所(GISPRI) 
 「COP6の結果について」(2000年12月20日)(>PDFPDF)
・地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
「プロンク議長ノート(2000年11月23日午後7:04の分析)」(2001年1月31日)
表  7ぺージ (>PDFPDF)
本文 53ページ(>PDFPDF 

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