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日本の動向

世界の有力科学者は、1985年にオーストリアで開いたフィラハ会議で「21世紀前半には、かつてなかった規模で地球の平均気温の上昇が起こりうる」との見解を発表しました。その3年後に「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が誕生し、地球温暖化に関する研究を始めました。

こうした国際的な取組が進む一方、日本政府も2000年の二酸化炭素(CO2)排出量を1990年と同水準に抑えるための地球温暖化防止行動計画を1990年に策定しました。これは二酸化炭素の排出量を2000年以降、1990年レベルで安定化することなどを目標にして各種の対策を講じたものです。その後毎年、実施状況が関係閣僚会議に報告されましたが、排出量は増加を続け、目標は達成できませんでした。この間、1994年に気候変動枠組条約が発効し、翌年から締結国が温暖化防止会議(COP)を毎年開催するようになりました。

日本は1997年の温暖化防止京都会議(COP3)で、第一約束期間(2008~2012年)に京都議定書が定めたCO2中心の温室効果ガス6種の排出量を、1990年より6%削減することを国際社会に公約しています。1998年には地球温暖化対策推進本部から地球温暖化対策推進大綱が決定されました。この大綱では、2010年に向けて緊急に推進すべき地球温暖化対策が取りまとめられています。

その後、地球温暖化対策推進法の制定、地球温暖化対策に関する基本方針の閣議決定などが行われ、日本国内の対策の基礎的な枠組みが構築されてきました。またエネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)の改正など、各種の国内対策も随時進められています。しかし2000年の調べでは、大綱が定めた政府、企業などの対策のうち、数値目標の達成を義務づけている例は20%未満です。これは京都議定書の目標を達成するのには十分とは言えません。

温室効果ガスは企業活動、市民生活など様々な過程で排出されます。これを効果的に削減するには、多くの施策や手法を組み合わせる必要があります。

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