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会議に貢献する国、しない国

先日の記事にあるように、毎日CAN(Climate Action Network)から
本日の化石賞が発表されています。

この発表は工夫を凝らしユーモアにあふれた授賞式スタイルで、
気軽な雰囲気の中ですが辛辣なことをバシバシ言います。

以下、CAN発表抄訳*****************************

【12/5】

第3位 アメリカ
    交渉が進むのを妨げているから。
    2020年まで削減目標は作らないという提案までしている。
    気候変動についてブッシュ大統領時より
    よい政策はいくつかあるが、
    オバマ大統領は2008年に
    「何をしなければいけないかはわかっている。
    地球の未来は温室効果ガスを減らすための
    国際的な約束ができるかどうかにかかっている。」と
    素晴らしいことを言った割に行動が追い付いていない。

   

第2位 サウジアラビア
    世界が気候変動解決にむけて戦っているのと同じくらい、
    石油産出業者のことを重視しているから。

第1位 ロシア、ニュージーランド
    <ロシア>京都議定書の第2約束期間に対する提案が論理的ではないから。
    <ニュージーランド>京都議定書の交渉において、立場が一貫していないから。

【12/6】
第2位、3位はありません。

第1位 カナダ
    カナダの大臣は「温度上昇が2%以上になるのを~」と発言。
    2%?2℃?
    人々よりも排出者のほうを大事にしていると現実はどうでもいいらしい。
    事実には(どちらでもよく)柔軟なのに、
    京都議定書に対する態度は硬い。

【12/7】
第1位、2位 アメリカ
    1位と2位を占拠するとはアメリカにとって嫌な日だ。
    2位の理由は、資金に関する迅速な対応に否定的だから。
    真剣にアクションを起こすリーダーシップがかけていることを表している。

    1位の理由は、これまで進んできた交渉を
    コペンハーゲン(COP15)以前まで後戻りさせようとしているから。
    危機的な時代が始まろうとしていて、
    もっと削減目標を高く持たなければいけないというときに、
    歴史的には世界で一番排出量の多い国が「あと9年の話し合い」?
    あまりに無責任だ。

【12/8】
    今日は受賞国が多く、COP17の「本日の化石賞」授賞式の中で
    一番忙しい日だった。

第3位 ニュージーランド
    京都議定書に対する立場を硬化させているから。

第2位 日本、カナダ、ロシア
    昨日と今日、閣僚級会合でこれらの国々の大臣が
    京都議定書の第2約束期間を拒否するコメントを繰り返したから。

    彼らは何のためにダーバンに来たんだろうか?
    「I LOVE KP」のTシャツを着た人を見なかったのだろうか?
    彼らが交渉の進展を妨げるから
    ダーバンでの合意がより難しくなっているのだ。
    彼らは京都議定書をより良いものにではなく、
    悪いものにしようとしている。
    気候変動に対する答えとしても、そして排出量の多い国としても、
    京都議定書をなくすことは無責任だ。

第1位 アメリカ
    まだCOPは(COP17だけでなく)終わっていないが、
    アメリカは、「本日」どころか「21世紀の化石賞」の受賞を
    確実なものにしそうだ。

    その理由は最大の排出国であるためだけでも、
    また他の国よりも多く空気のスペースを使っているからだけでもない。
    2020年の削減目標が軽蔑すべきものであるからだけでもない。
    京都議定書を批准しないからだけでもない。
    これらに加えて、工業化以前より気温上昇を2℃以下にしようとする約束を
    葬ろうとしているからだ。

RAY OF THE DAY
幸運なのはアフリカグループがCOP17初の
「RAY OF THE DAY」(化石賞と逆で、もっとも交渉に貢献した国に与えられる)を
受賞したことだ。
削減量のカウントの「抜け穴」を減らそうとしているし、
COP17においてアフリカ諸国は、
一貫して建設的に交渉に臨み、明らかに交渉の進展にとても努力している。

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執筆:江刺家 由美子
(宮城県地球温暖化防止活動推進センター)

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