第12回締約国会議(COP12/MOP2)

Home世界の動向COP 等 (国際会議) レポート第12回締約国会議(COP12/MOP2)NO.6 引き続く次期枠組みの交渉、COP12で結論を出せるのか? 2006/11/10

NO.6 引き続く次期枠組みの交渉、COP12で結論を出せるのか? 2006/11/10

第1週目も終わりに近づき、会場内の設備も充実してきました。初日にはまだ会場の設営は終わっておらず、参加者ほとんどがパソコンを使うのに電源がなかったり、会議中に突然電気が消えたり(ブレーカーが落ちたのかな?)、多くの参加者は不自由な思いをしていました。しかし今では会場のいたるところに延長コードが配置され、突然電気が消えることもなくなりました。
また会場となっている国連ナイロビオフィス(UNON)の会議場だけでは、いくつもの公式・非公式の会議が並行して行なわれる今回の会議にはスペースが足りません。初日にまだ工事が行なわれていた特設テントやプレハブの建物もほぼ工事が終わり、熱い交渉の舞台となっています。
・11/10(金)のデイリー・プログラム(英文)

次期枠組みの話し合いをどう進めるか

昨日行われたAWGの会合に引き続いて、今日もAWGの会合が行われました。この会合は「インフォーマル・グループ」と呼ばれる形式で開催されました。これはNGOは参加傍聴できるもののプレス関係者は入ることができません。また会場は本会議場の裏に設営された特設テントで行なわれました。テント内は熱気のせいか暑くなっていました。
会議の開始にあたり、マルタのマイケル・ザミット・クタヤール議長は今日の議題として以下の3つを提示しました。
(1)外部専門家による情報の提供について
(2)COP/MOPや補助機関など、他グループとの関連について]
(3)来年の計画について

来年セッションを2回以上開催するか、対話(ダイアログ)とどう関連させるか、ワークショップを引き続き行うか、などの論点を具体的にあげました。
これに対し、各国からは様々な意見がでました。
(1)については、外部専門家からの意見を受けながら次期枠組みをつくりあげていくために、IPCC、IEA(国際エネルギー機関)、OECD()などの組織や、CDM-EB、G8対話、NGOなど非政府組織を招くといった名前があがりました。スイスは第一約束期間(2008〜2012年)に各国が蓄積した経験の重要性を指摘をし、内部の情報を活用することは他の動きとの相乗効果を生み有効だと発言しました。南アフリカも同様に、第1約束期間に削減の義務を負っている附属書国の経験は重要なインプットになると指摘しました。
(2)については、先進国側は次期枠組みの交渉は3本立てで行なわれているとして以下をあげています(詳細はNO.3をご覧ください)。それに対して途上国側は京都議定書9条の見直しを次期枠組みの話し合いと結びつけることに反対しており、今日もサウジアラビア・中国から発言がありました。
(3)については、南アフリカが前回指摘したように、途上国側はワークショップばかり開くことは次期枠組みの話し合いの前進にはつながらないと考えています。
次期枠組みの話し合いを2008年までに終えるべきという国は、早く作業に取り掛かる必要性を指摘しました。先進国側も途上国側も、来年の計画を立ててAWGの話し合いをすすめていくことでほぼ合意しました。
日本は2008年までと期限を区切って次期枠組みの話し合いを終えることに反対しています。
・詳しくはNO.3をご覧ください

今日の議題について西村地球環境特命大使は(1)の外部の専門家の意見や削減の可能性についての検討が必要であるという見解を支持すると発言し、日本は世界が一致して地球温暖化問題に取り組むにあたってのフロントランナー(第1走者)となるべく積極的に貢献していくとアピールしました。
また、世界全体の長期的目標を設定し、その目標を達成するためにどう世界全体で取り組むかを決め、世界全体のメッセージとして発信することが最も望ましいとも発言し、途上国の排出削減目標値を入れるなど、途上国と先進国とを含めた次期枠組みとするべきという考えを改めて示しました。
会議はザミット・クタヤール議長がインフォーマル・コンサルテーションを行なうことを宣言し、サウジアラビアに各国の意見を集めるよう指示して終わりました。

「市場へのシグナル」

AWG、京都議定書9条に基づく京都議定書の見直し、CDM関連の会議でキーワードとなっているのが「市場へのシグナルをCOP12で」です。これは、次期枠組みの形を少しでもCOP12で明らかにし、市場(特にカーボン・マーケット)に対して”今の京都メカニズムが2013年以降も引き続くのだ”ということを示したい国々からよく聞かれます。
2013年以降もCDMなどの京都メカニズムが地球温暖化対策としてその意義と存続を認められれば、市場の投資家は中長期的な投資計画を立ててCDMなどの事業を行なうことが保障されます。現状では第1約束期間以降京都議定書にもとづく京都メカニズムが認められるのかどうか、どこにも保障されていないのです。
また途上国にとっては、CDMなどの事業を国内で行なうことは事業温暖化対策という面だけに限らない魅力があるので、2013年以降も京都メカニズムが続くことは大きなメリットがあります。途上国と産業界はこの点でほぼ一致しており、他の会議でもそうした意見が出ていました。
AWGの次期枠組みに関する議論にもこうした意見が反映されてきており、「COP12で市場に対してシグナルを送ろう」、すなわち「2013年以降の次期枠組みは今の枠組みを引き継いだもので京都メカニズムも続きますよ」と発表したいと考えている国々が多いのです。
すでに2005年から排出量取引市場を実施しているEUもこの点は賛成しています。

コラム ザミット・クタヤール議長の誕生日 

今日11/10(金)はAWGの議長ザミット・クタヤール氏の誕生日でした。下の写真ではUNFCCC事務局長デ・ボーア氏からお祝いされるにザミット・クタヤール氏のにこやかな様子が印象的です。

Photo courtesy of IISD/ ENB-Leila Mead

ザミット・クタヤール氏はずいぶん前からCOPの交渉に携わってきています。AWGなどの難しい交渉でも議長として、時にはなだめたり、時には強固に言い含めたり、と強いリーダーシップを発揮して議論を進めています。気候変動交渉の行方をにぎる重要な人物の一人であることに間違いはありません。

このページのトップへ