第10回締約国会議(COP10)

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vol.6 非公式交渉グループでの議論がおわる

第21回実施に関する補助機関(SBI21、エスビーアイ21)(写真右)と、第21回科学的、技術的な助言に関する補助機関 (SBSTA21、エスビーエスティーエー21)の全体会合が開催され、非公式交渉グループよりそれぞれの議論に関する報告が行われました。
両補助機関の全体会合と平行する形で、適応措置や資金供与メカニズムなど非公式交渉グループの議論が行われましたが、結局まとまりませんでした。その旨が、両補助機関の全体会合に報告され、全てが終わったとき、夜の1時を過ぎていました。

地球温暖化の影響に対する適応措置について 

非公式な交渉グループでは、サウジアラビアをはじめとする産油国が途上国グループの意見を代表して交渉を進めました。そのため、途上国全体が、産油国の 主張する「先進国が実施する対策による経済的な損失への補償」を優先的に資金供与の対象としたいと主張する形となりました。このため、気候変動の悪影響に対する支援がほしい島しょ国の意見は、ほとんど聞こえてこない状態となり、産油国の主張を受け入れたくない先進国と途上国が対立する形となりました。
その他の途上国への支援に関わる議論についても、連日夜遅くまで行われましたが、結局議論はまとまりませんでした。第10回締約国会議(COP10、コップテン)の決定案やまとめ案は、各国からの対立する意見が記載されたままで、COP10の全体会合に報告されることになりました。
 ・デイリープログラム(英文)

ピックアップ

ヨーロッパへの地球温暖化の影響と適応措置

ヨーロッパ環境庁は、ヨーロッパへの地球温暖化の影響と適応措置に関するイベントを開催しました。
ヨーロッパ連合は、長期的な地球温暖化対策の目標として地球の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2℃未満に抑えることを打ち出しました。しかし、現在のことろ地球温暖化の適応措置については何の政策もありません。(>PDF) PDF
8月にヨーロッパ環境庁が発表した報告書「ヨーロッパにおける地球温暖化の影響 」によると、ヨーロッパの平均気温は、この100年間で0.95℃上昇し ており、2100年には2.0〜6.3℃上昇すると予測しています。近年、ヨーロッパの中部や北部では、過去より雨が増えています。一方、南部や南東部で は、雨が少なくなっています。洪水や熱波、干ばつなど異常気象が増え、寒い日が減ると考えられています。
また、ノルウェーでは氷河が厚くなっているものの、その他の全ての地域では氷河が後退しています。アルプスでは、3分の1の氷河がなくなりました。厚く なっているノルウェーの氷河でも、地球温暖化のせいで冬の降雪量が増えています。1960年以降、ヨーロッパ全体で積雪量が減り、積雪期間も短くなってき ています。昨日も報告したとおり、北極圏では海氷が減ってきます。
ここ数年、ヨーロッパでは異常気象が頻発し、甚大な被害をもたらしました。2002年の洪水のせいで、170億ユーロの経済的損失がでました。2003 年の熱波では、130億ユーロの農作物への損失が出ました。ヨーロッパ25カ国で京都議定書を実施していくためには、毎年10億〜35億ユーロ必要という 試算があります。
地球温暖化によって起こる異常気象の発生をどのように予測し、被害が広がらないようにするか、またそのためにどれくらいのコストがかかるかについては、 現在まだわからない状態にあります。京都議定書を実施していくことが、適応措置や被害額のコストを抑えることにつながります。
新たに地球温暖化の適応に関する政策を打ち出すこともできますが、すでに実施されているEUの森林や災害に関する政策に地球温暖化の適応に関する政策を 組み入れていくこともできます。EUの地域開発基金をはじめ様々な基金のもとで適応措置を実施していくことも可能でしょう。しかし、基金の分配方法など課 題はあります。
特に、健康への被害をどのように抑えるかなど個別にみていくと、非常に困難な課題があることがわかります。昨年ヨーロッパで発生した熱波は、多くの死亡 者を出しました。特に高齢者の死亡率は高く、全体の死亡者のうち60%が家で亡くなった人で、うち80%が高齢者でした。高齢者の多くは睡眠薬を飲んでい ることが多く、脱水症状の初期症状であるのどの渇きに気付かないケースも多く、どのように高齢者に予防や治療が必要であることを気付かせるのかとても難し いです。また、ヨーロッパでは、熱波を分析するシステムが各国によって違うため、発生の予測や予報をして人々に知らせることも難しい状態にあります。
地球温暖化への適応措置といっても実に様々な方法があり、課題が山積しています。

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