第10回締約国会議(COP10)

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vol.3 クリーン開発メカニズム(CDM)理事会の動き

第3日目は、第10回締約国会議(COP10、コップテン)の全体会合と、各議題をさらに議論するために設置された非公式な交渉グループが開催されました。
COP10(コップテン)の全体会合では、クリーン開発メカニズム(CDM)の理事会の報告が行われました。
クリーン開発メカニズム(CDM)は、他の国と共同で実施した温暖化対策事業によって生じた削減量を削減したものとできる「京都メカニズム」の1つで す。先進国が技術や資金を提供し、途上国で温暖化対策事業を行います。その事業によって排出削減された量(CDMの場合は認証排出削減量: CERs/Certified Emission Reductionsと呼ばれる)を、事業の投資国と事業が行われる国とで分け合うことができるという制度です。
事業は、事業の受け入れ国となる途上国の持続可能な発展を助ける目的で行われなければなりません。 CDM理事会 がCDMを行う事業者を認定し、事業から発生する排出削減量を、検証手続きを通じてCERsとして認めます。京都議定書の削減目標をもつ国 はそのCERsを削減目標達成の一部として使うことができます。
CDM 理事会のメンバーは10名でCOP7ですでに選出されました。メンバーの内訳は、国連の5つの地域グループから1名ずつ、小島発展途上国から1名、非附属 書国(いわゆる途上国)から2名、附属書国(いわゆる先進国)から2名です。日本からも理事メンバーが選出されています。また、CDM理事会は、 COPに対して、その1年間の活動について毎年報告をすることになっています。
今日は、理事会の議長であるジョン・カリアニ氏より、2003年の11月から2004年12月までの活動について主に以下のような報告がありました。

*ロシアが京都議定書を批准したのと同じ日に、最初のCDM事業を承認。さらに4つの事業が承認を待っている状態にある。
*CDM事業やCERsの認証をCDM理事会に要請する運営機関として、日本の財団法人日本品質保証機構(JQA) を含む4つの機関を指定した。
*12月1日から3日まで開催された第17回目のCDM理事会で、オゾン層破壊物質であるHCFC22を生産する過程で発生するHFC23を破壊して、排出削減量(CERs/Certified Emission Reductions)を得る事業2件について、再検討が行われることとなった。これを受け、CDM理事会がこのような事業についてどのように対応すべき か、COPから指針を出してもらうよう要請する。

日本や韓国からは、CDM理事会の意思決定の過程が非常に不透明であるという意見がでました。これに対し、アルゼンチンは、理事会メンバーも議論をするうえでプライバシーが必要などと反論しました。
アメリカは、現在NGOなどオブザーバーがCDM理事会とは違う部屋でテレビモニターを通じてしか会議を傍聴できないことに対し、理事会と同室で傍聴で きるよう会議の公開方法の改善を求めました。また、京都議定書の発効によって動き出す共同実施(JI)事業を認証する監督員会や先進国が議定書の削減目標 を達成したかどうか判断する遵守委員会に京都議定書の締約国しか参加できないことに対しても懸念を表明しました。
EU やアルゼンチンからは、HFC23を破壊して排出削減量(CERs)を得る事業よりは、省エネ技術や再生可能エネルギーを導入するような事業を優先して実 施すべきといった意見が出されました。また、コスタリカは、HFC23を破壊する事業は、途上国の持続可能な発展や環境保全につながるというCDMの目的 には合わない事業であるため、制限を設けるべきだと発言しました。スイスも、理事会はモントリオール議定書の目的と京都議定書の目的の両方を達成できるよ うな包括的な立場にたつべきと発言しました。これに対し、この事業の実施国であるインドや韓国は、現在のままもしくは一部ルールを変更して事業を承認して ほしいと発言しました。
スイス、EU、チリなどは、京都議定書の発効により理事会の作業量も増えることが予想されるため、専門の人材確保などのための予算増額は不可欠と話しま した。エジプトやアルジェリアからは手続きの簡略化を求める発言がありました。また、ビジネスNGOも柔軟な対応を求めました。そして、環境NGOは、排 出削減量(CERs)を獲得する目的で、オゾン層保護の目的で規制されているHCFC22の増産される恐れがあるため、これらの事業は地球全体の環境保全 につながらないとし、制限を設けるべきと訴えました。
COP議長は、この件について、非公式の交渉グループを設置し、今後どのようにこのような問題について検討を進めていくかについて話し合いうことになりました。議長はアルゼンチンのラウル・エストラダ・オヨラ氏が務めることになりました。

オゾン層破壊物質であるHCFC22を生産する過程で発生するHFC23を破壊して、排出削減量(CERs/Certified Emission Reductions)を得る事業について

日本と韓国で行う事業と、日本、オランダ、イギリスとインドで行う2つの事業があり、現在再検討となっています。(詳しくは気候変動枠組み条約事務局の ウェブサイト) HCFC22は、モントリオール議定書 のもとで、先進国では2020年までに、途上国では2016年から2040年までにその生産の中止が 決まっています。業務用冷凍冷蔵庫や業務用空調機などに使われています。このガスを生産する過程で発生するHFC23は、消火器などに使われているガス で、京都議定書のもとで排出削減することなっています。 HCFC22を生産する過程で発生するHFC23を破壊する事業は、省エネ技術や再生可能エネルギーを導入する事業より低いコストで実施できるうえ、 HFC23は二酸化炭素と比べ地球温暖化を進める力(地球温暖化係数)が10000倍以上あり、大量に排出削減量(CERs)を得られる事業です。
*お詫び:モントリオール議定書のもとでのHCFC22の規制に関する表記に誤りがありました。先進国では、2020年までに生産中止となっています。

さらに知りたい方は、こちら
デイリープログラム(英文)
・さらに詳しく知りたい人は、
 JCCCA「COP7で合意されたこと 京都メカニズム」
 環境省「図解京都メカニズム第2版 CDM」PDF
 経済産業省「京都メカニズム利用ガイド」
 京都メカニズムプラットホーム

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 京都議定書の発効を祝う その1

第3回締約国会議(COP3)で、京都議定書を採択した際に尽力したCOP3議長の大木博氏(全国地球温暖化防止活動推進センター代表)と、COP3全体委員会の議長ラウル・エストラダ・オヨラ氏(アルゼンチン大使)が、京都議定書の発効を祝いました。
二人は、久々の再会を喜び、すでに全世界で起こっている気候変動について、効果的な適応策と緩和策が必要であると話しました。

 

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