第07回締約国会議(COP 7)

排出量と吸収量のモニタリング

排出量と吸収量のモニタリング、報告、審査(議定書第5条、第7条、第8条)

締約国が提出する温室効果ガスの人為的な排出量・吸収量に関する情報や議定書の義務の実施に関する情報を専門家が審査するしくみについての規定です。
専門家が行った審査の結果は、遵守委員会に報告され、遵守委員会で締約国が京都議定書の義務を守っているかどうかを判断する材料となります。それゆえ、第18条の遵守制度とともに、議定書の義務をすべての国がきちんと守っているかどうかを検証し、京都議定書の実効性を確保する骨組みとなる重要な部分です。
温室効果ガスの排出量・吸収量を推計するための国内制度のガイドラインについては、すでに2000年に行われたSBSTA12で、その内容について合意ができました。その他のガイドラインについては、COP6と同時に開催されたSBSTA13パート2までには、審査の流れなどの大枠が決まりました。しかし、京都メカニズムや吸収源と関連している部分については、議論が進みませんでした。また、排出目録とともに提出される情報にどの情報が、どの程度含まれるべきかといった問題についても、締約国の間で意見が一致しませんでした。この問題は、排出目録といっしょに報告しなければならない情報を提出しないと、その締約国の京都メカニズムへの参加資格が停止することと関連しています。
COP6とCOP6パート2では、吸収源や京都メカニズムなどの交渉に時間が割かれ、ほとんど議論が進まないまま、COP7で一気に議論をつめ、合意をしました。 

COP7で決まったこと

調整方法に関する技術的なガイドラインは、COP9で検討し、議定書発効後に開催される第1回締約国会合(COP/MOP1)で採択します。また、吸収源からの排出量及び吸収量の推計のための調整方法のガイドラインは、IPCCでの作業完了を経て、COP10へ勧告の後、その後開催される議定書の締約国会合(COP/MOP)で採択します。
締約国は、以下のような情報を毎年提出する排出目録といっしょに事務局に提出します。
 * 排出目録に関する情報
 * 排出削減量(ERUs、CERs、AAUs、RMUs)に関する情報
 * 第5条1項の国内制度の変更に関する情報
 * 国家登録簿の変更に関する情報
 * 条約と議定書の約束を達成するための措置の実施によって開発途上国が受ける悪影響を最小にしようと附属書I締約国がどのように努力したかに関する情報
締約国は、以下のような情報を3-5年の間隔で提出する国別報告書といっしょに事務局に提出します。
 * 国家登録簿に関する情報
 * 第 5条1項に基づく国内制度に関する情報
 * 京都メカニズムの補完性に関する情報
 * 政策と措置に関する情報
専門家審査チーム(ERT/Expart Review Team)は、国内制度、排出目録、国別報告書などについて審査し、報告をまとめ、問題のあるものに関しては遵守委員会に報告します。審査は、第1約束期間(2008年から2012年)前の審査、年次審査、定期審査の3つにわけられます。審査チームは全体の構成が附属書締約国からの専門家と非附属書締約国からの専門家で均衡がとれるように事務局がメンバーを選出します。

-条文の要約-
議定書の第5条1項(国内制度)
締約国は温室効果ガスの人為的な排出・吸収量を推計するための国内制度を2007年までに設立しなければならない。
議定書の第5条2項(調整)
温室効果ガスの人為的な排出・吸収量の推計には、IPCCが認め、COP3で合意した方法論(IPCC1996年ガイドライン)を使用する。推計方法論がないものについては、第1回議定書の締約国会合(COP/MOP1)で合意された方法に従って調整しなければならない。また、方法または調整は、京都議定書の第3条に基づく約束を守るためにのみ行う。
議定書の第7条1項(排出目録、またはインベントリー)
附属書I締約国は、毎年提出している温室効果ガスの人為的な排出・吸収量に関する目録(排出目録または、インベントリーと呼ばれる)に、京都議定書の約束を守ったことを明らかにするために必要な情報を補完的な情報として含めなければならない。
議定書の第7条2項(国別報告書)
附属書I締約国は、条約の第12条に従って提出する自国の情報(国別報告書)に、京都議定書の約束を守ったことを明らかにするために必要な情報を補完的な情報として含めなければならない。
議定書の第8条(審査、またはレヴュー)
7条に定められている情報は、政府間機関が指名する中から選ばれた専門家によって構成された審査チーム(ERT/Expert Review Team、専門家審査チームと呼ばれる)が審査する。専門家審査チームは、締約国の約束の実施を評価し、約束を守る上での潜在的な問題や影響を与える原因を評価し、議定書の締約国会議に報告書を提出する。

関連情報

* 条約事務局(UNFCCC)の議定書5条、7条、8条ページ(英語)
これまでの経緯や関連文書の一覧などを掲載。

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