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大阪ガス(株):ビル空調用冷温水圧損低減剤<エコミセル>の開発

大阪ガス(株)エネルギー技術研究所は、大型ビル空調に対して適用性、実施可能性の高い冷温水ポンプ動力削減技術に取り組み、それを実用化させることで省エネルギーおよびCO2削減に寄与できる冷温水圧損低減剤<エコミセル>を開発しました。これは、ビル空調の冷温水ポンプ動力を約30%削減させる一方、熱源機や空調端末では伝熱特性を低下させない全く新しいタイプのものです。
冷温水圧損低減剤とは、特定の有機塩を主成分とする水添加剤であり、冷温水に有機塩の濃度が数百ppmになるように溶解させると圧損が減少し、ポンプ動力を低減できるものです。この現象は、冷温水中で有機塩同士が自己組織化して棒状の集合体(棒状ミセルといいます)を形成し、それが水の乱流を抑制して擬似的層流に変化させることによるものとして定性的に知れていました。しかし、従来の材料では圧損低減効果と同時に空調端末での伝熱性能が低下してしまう問題があり、現場導入が進みませんでした。
一般に、実際のビル空調システムでは冷温水配管には大口径管(直径50mm以上)が、また熱源機および空調端末内伝熱管には小口径管(直径20mm以下)が、それぞれ用いられています。当研究所はコア技術である、流体シミュレーション技術とナノレベルの材料制御技術を駆使して有機塩を新規に分子設計し、その中から大口径管でのみ圧損低減効果を発現させる新規な有機塩を見出すことに成功しました。これにより熱源機や空調端末では有機塩分子の棒状ミセルは一時的に崩壊し、圧損低減効果と同時に発生する伝熱低下が起こりません。また、熱源機や空調端末で一時的に崩壊した棒状ミセルは、冷温水主配管では数秒内に再形成され、圧損低減効果が再発現するようになります。
現在までに15件のビルに冷温水圧損低減剤<エコミセル>の導入を行い、計画通りの省エネルギーおよびCO2削減効果を確認しています。例として、事務所ビル(延床面積 3万m2、空調運転時間 3千時間/年)に導入した場合、年間冷温水ポンプ消費電力量は、約6万kWh/年削減され、年間CO2削減量は約41トン/年となります。こうした新しい製品の開発とCO2削減の実証が今回の受賞に対して評価されたと思っております。
冷温水圧損低減剤<エコミセル>は、大型ビル空調の省エネ・CO2排出削減ツールとして、新築ビルと既設ビルのいずれにも適用することができ、汎用性の高いものです。今後も本製品を広く認知させる活動を継続するとともにビルオーナー、設計事務所、ゼネコン、サブコン、空調機器メーカー、ESCO事業者等各社様への導入提案を継続していきます。

冷温水圧損低減剤<エコミセル>
冷温水圧損低減剤<エコミセル>

ポンプ動力低減と伝熱低下回避を両立するエコミセルの可逆的自己組織化特性
ポンプ動力低減と伝熱低下回避を両立するエコミセルの可逆的自己組織化特性

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