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シンポジウム「温暖化防止への政治と市民の役割を考える」を開催(東京都) プリント
2008/06/06 Friday 00:10:23 JST

平成20年5月16日(金)、東京の憲政記念館において、NPO法人気候ネットワーク主催のシンポジウム「めざせ!温暖化政策トップランナー」シンポジウムが開催されました。今回は第5回目で「温暖化防止への政治と市民の役割を考える-気候保護法案を軸に議論しよう-」というもの。会場には国会議員や一般の方、多くのマスコミが150名近く集まり、満員でした。

(写真)満員の会場の様子

日本の温暖化政策の課題

シンポジウムの冒頭、気候ネットワーク代表の浅岡美恵さんが講演し、日本の温暖化の政策の問題点を指摘しました。日本には、温暖化対策推進法や省エネ法などがあるが、それぞれの施策には一貫性がなく、具体的な効果には結びついていないということです。
(参照:JCCCAウェブサイト「条約年表」
それに比べ、諸外国では中長期的な目標を掲げた上で、排出量取引や炭素税などの施策を講じながら温室効果ガスの排出削減にチャレンジしているのです。浅岡さんは、日本でも中長期的な大幅削減を目標とし、具体的に削減に結びつく施策の導入を盛り込んだ法律「気候保護法」が必要だと訴えました。

政治抜きでは解決しない温暖化問題

その後のパネルディスカッションで、パネリストにはそうそうたるメンバーが並びました。みなさん各党の温暖化対策に関する部署をまとめる立場の方ばかりです。
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水野賢一 衆議院議員(自由民主党)、田端正広 衆議院議員(公明党)
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岡田克也 衆議院議員(民主党)、笠井亮 衆議院議員(日本共産党)
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福島みずほ 参議院議員(社会民主党)、植田和弘 教授(京都大学)

安倍前首相が提唱し、福田首相も引き継いでいる「2050年に温室効果ガスの排出量を世界で半分にする」という提案については、みなさん基本的には賛成とのこと。ただ共通して指摘していたのが「では、日本はどうやって削減するのか?」という点でした。また各党が考える温室効果ガスの排出目標や、各国の現状を調査した結果などについて報告がありました。

なかでも民主党の岡田克也議員(党の地球温暖化対策本部長)は「まだ私案だが、2020年に25%削減、長期目標として60-80%という数字を明記したい」と発言していました。中長期目標となる数値が欠けている現在の日本の温暖化政策にとっては、画期的な一歩となる可能性を秘めています。

その後、有識者として植田京都大学教授が以下の点についてコメントをしました。

  • *温暖化問題は政治抜きには語れない。日本の温暖化政策には理念と目標が必要だ
  • *温暖化問題の解決には日本と社会の「質的改善」が必要。日本の技術力ならできるはず
  • *市場(民間経済)の中心に温暖化抑止機能を内蔵させること、すなわち炭素に価格をつけることがカギを握る
  • *そのためには、法律の制定が必要。なぜか?法律制定は確実な見通しを市場に与えることにつながり、企業活動への指針となる

炭素税、国内排出量取引、自然エネルギーの推進を!

パネリストの発言を受け、会場のNGOからコメントがありました。

*WWFジャパン 山岸尚之さん
キャップ&トレード型の排出量取引は、低炭素社会の実現に効果が高い。市場メカニズムを活用し、CO2をコストにすることができる。日本として導入を検討すべきである。
諸外国が制度設計を固めつつある状況を見ると、日本は完全に遅れている。このままで日本の国益が守れるのか心配である。

*「環境・持続社会」研究センター(JACSES)足立次郎さん
今後、国際交渉上、米国の参加を求め、中国やインドなど新興国に対して日本が働きかける際にも、日本が国内で炭素税や経済的手法などの施策をとらないままではもたないだろう。国際交渉する上でもぜひ導入してほしい。導入するにあたって、どんな政策の組み合わせが適当かしっかり議論を積み上げていき、政治的決断に期待したい。

*環境エネルギー政策研究所 飯田哲也さん
日本の温室効果ガスの排出量が減っていないのは、エネルギー政策転換の失敗が原因。再生可能エネルギーなどへ転換することなしに削減はできない。日本のお家芸だった太陽光発電産業も、ドイツ、中国、台湾企業の成長から取り残されつつある。固定価格買取制度を中心とした政策の見直しが必要である。

時を同じくして発表された日本の温室効果ガス排出量も大幅な減少は見られず、京都議定書の約束「1990年比で6%削減」には険しい道のりとなることが予想されます。
地球温暖化問題の本質的な解決に向けて、日本政府に「気候変動保護法案」を採択することを呼びかけ、シンポジウムは終了しました。

 
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