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排出削減のシナリオ作り(2002年) プリント

 2002年6月に京都議定書を批准するまでの期間、環境省と経済産業省はそれぞれ独自に日本の温室効果ガス排出量削減のあり方について検討を進めていました。京都議定書に批准するためには削減目標を実際に達成できる見通しを示す必要があったからです。両省が進めているのは、そのための温室効果ガス削減のシナリオ作りでした。
 環境省の傘下では、中央環境審議会が2002年1月に「京都議定書の締結に向けた国内制度の在り方に関する答申」をとりまとめました。また経済産業省では、産業構造審議会環境部会地球環境小委員会が2001年12月に発表した「中間とりまとめ」の中で、京都議定書の実施に当たっての国内対策について基本的な考え方及び当面の具体的施策について検討結果を示しています。

二つの削減シナリオ

 2つを比較してみると、環境省の予測は、温室効果ガス6種の排出量をどれだけ削減できるか、そのためにどんな方策をとるべきかに重点を置いています。一方、経済産業省は、経済への影響を重視した見通しをたてています。

二つの削減シナリオ

環境省:温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会

 環境省の「温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会」は2001年3月、報告書を発表しました。この中で1990年以降の排出量増減の要因を分析すると同時に、これまでに決めた対策を実施した場合、2010年時点の排出量が90年に比べてどれだけ増減するかを試算しています。さらに、資金などの制約条件をあまり考慮せず、新技術を追加した場合の2010年時点における最大限の削減量(削減ポテンシャル)も検討しました。
 報告書では、京都議定書の第一約束期間(2008〜2012年)までに原発を13基新設した場合(計画ケース1)、7基の場合(計画ケース2)の二つの場合を想定しています。
 2010年時点でのエネルギー消費による二酸化炭素(CO2)排出量は、1990年に比べ、計画ケース1で8%増、計画ケース2では11%増となります。京都議定書の対象であるCO2など6種の温室効果ガスの全排出量は計画ケース1で5%、計画ケース2では8%増えることになります。
 しかし、資源の有効活用や、風力などによる自然エネルギーの利用促進といった工夫を含む削減ポテンシャルを加えると事情は変わります。これを計画ケース1に適用すれば6種のガスは4〜13%、計画ケース2でも1〜10%減らすことができるとしています。

経済産業省

 経済産業省・資源エネルギー庁は、将来のエネルギー消費に伴うCO2排出量を予測しています。同省も「基準ケース」と「目標ケース」の二つを想定し、それぞれで2010年における1990年比のCO2排出量の増減率を試算しました。基準ケースでは、エネルギー消費によるCO2排出量が6.9%増えると予測しています。
 目標ケースは想定する排出量削減政策やエネルギー需給構造によって複数に分かれます。ただ、いずれも2010年度時点でのエネルギー消費によるCO2排出量を1990年度と同水準に抑えることを前提としています。
 例えば、一つの試算では大規模なエネルギー節減やエネルギー源の転換を促す新税の導入を想定します。ほかにも、原子力発電所を新設しない場合なども想定し、それぞれで経済にどれだけ影響するかを検討しています。
 新税を導入する目標ケースでは、基準ケースと同様に年2%程度の実質経済成長を達成できるのですが、原発を新設しなければこれよりやや低下するとみています。

ポリシーミックス

 省庁再編前の環境庁(当時)の中央環境審議会・地球温暖化対策検討チームが2000年にまとめた報告書で、京都議定書が日本に課した温室効果ガス排出量の6%削減義務を遵守する制度のモデルを提示しました。これによると、まず排出量の削減と吸収量の増大を進める計画を立て、自主的取り組みや経済的手法、規制的手法を組み合わせたポリシーミックス(政策融合)による対策を実施します。その後、計画の進捗状況を点検し、その点検の結果を踏まえた対策の見直しや強化を実施する、としています。
 この作業を繰り返したうえで削減目標を達成できなかった場合、外国の政府や企業と排出権取引をする最終調整メカニズムが必要だとしています。

ポリシーミックス

 
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