| (5) 温暖化の影響について |
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IPCCの第3次報告書によると、20世紀中の地球の平均気温は、100年間で約0.6℃上昇しましたが、このまま推移すると21世紀末までに平均気温は、1990年と比較して、1.4〜5.8℃上昇すると予測されています。これに伴い、さまざまな面で人間生活に影響を及ぼすようになるでしょう。 地球温暖化で気温が上昇すると、南極や北極の氷、高山の氷河や氷原、そして永久凍土が融けると予測されています。陸上の氷(南極やグリーンランドの氷床や高山の氷河など)の融解や気温上昇に伴う海水の体積の膨張によって海面が上昇する恐れがあります。20世紀中の100年では10〜20cm上昇していますが、IPCC第三次報告書によれば、海面水位は1990年から2100年までに9〜88cm上昇すると予測されています。 また、気候系が影響を受けることにより、降水パターンが変わり、洪水や干ばつが従来とは異なる地域や頻度で発生したり、海水温の上昇に伴い、台風など熱帯低気圧の強度が増したり、気温上昇によって熱波に見舞われたりといった異常気象が頻発する可能性が高まります。気候の変化についていけなくなった動植物の中には絶滅するものも出てくるかもしれません。生態系だけではなく、人間の健康や食糧、社会基盤に深刻な影響を与えると言われています。 (参考資料・パネル画像/異常気象の頻発-2004年の1年間に起こった主な自然災害-) すでに、北極海の春と夏の海氷面積が1950年代と比べて10〜15%減少し、ここ数十年、晩夏から初秋における北極の海氷の厚さが約40%減少しました。(引用文献*1) 2005年9月、当月の北極海の海氷面積が大幅に縮小し、この100年以上の間で最も小さくなっている、という研究成果をコロラド大学(全米雪氷データセンター)などは発表しました。(参考資料・温暖化ニュース/北極海の海氷の面積が大幅に縮小) 人工衛星を使った調査では、アラスカ、南米アンデスやアルプス、ピレネー山脈でも氷河の後退が進んでいることがわかりました。アフリカのキリマンジャロ山の氷原は1989年から2000年の間にその33%が失われ、今後15年以内には全て消えてしまうと予測されています。そして、米アラスカ州西部およびカナダ北部の巨大な氷河の融解が加速しており、従来考えられていた2倍以上の速さで、海面上昇が進んでいると指摘されています。 世界の氷河は大幅に縮小しており、数十年後には世界の多くの山岳地帯で氷河が消滅する可能性があると2005年に「世界氷河モニタリングサービス(WGMS)」が報告書(1995年−2000年)で発表しました。(参考資料・温暖化ニュース/世界の氷河、縮小が進む) また、アラスカ州のフェアバンクスでは、永久凍土が融け、道路がひび割れ、地面が陥没し、屋根がゆがんでしまった家が増えているという報道もあります。 洪水、干ばつ、強力な熱帯低気圧の発生などの異常気象が世界中で頻発しています。2004年の6月から10月にかけて、日本には、これまでの記録の大幅更新となる10個の台風が上陸し、220人以上の死者・行方不明者がでました。2005年には、アメリカ南部をハリケーン・カトリーナが襲い、これまでにない甚大な被害をもたらしました。 一方、アフリカでは降水量は1968年以降、降水量の減少が続いており、今後もこの傾向が続くと、農作物の生産量の減少、生態系の破壊、海岸や河川域における被害がさらに進むと予測されています。 このような異常気象は、国やその経済に大きな損失をもたらします。異常気象による経済的な損失は、1950年代の年間約40億USドルから1990年代には、年間約400億USドルへとすでに10倍に増大しました。すでに起こっている異常気象が全て地球温暖化によるものかどうかはわかりませんが、地球温暖化が進むとこうした異常気象による被害が増加すると予想されています。(引用文献*1)、 (参考資料・パネル画像/異常気象の頻発-2004年の1年間に起こった主な自然災害−) 海面上昇による影響、私たち人間の健康や食糧など生活に対する影響については別項でさらに解説します。 引用文献
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