<家庭用と業務用>
政府がまとめた部門別の二酸化炭素(CO2)排出統計によると、「民生部門」の排出量は1999年度で日本全体の4分の1にあたる約3億トンだった。
民生部門は家庭用と業務用に二分できる。家庭用は市民が日常生活で消費する光熱や家電製品の電力が主体で日本の全排出量の13%を占める。マイカーのガ
ソリン消費分は運輸部門に含まれ、統計上は民生部門から外れる。一方、業務用とは製造設備を除く企業の事務所や店舗で全排出量の12%だ。
京都議定書が削減対象にする温室効果ガス6種の中で最も多いCO2の排出量をみてみると、1999年度の日本全体の排出量は90年度比で6.8%増だ
が、民生部門のうち家庭用は15%増、業務用は20%増となっている。家庭用が増えた理由は、世帯数の増加と一世帯が出すCO2量の拡大である。また、業
務用の増加の大きな要因は事務所や店舗の床面積の拡大である。
<環境家計簿を利用>
民生部門のCO2排出量を削減するにはどうしたらよいのか。市民がライフスタイルを変え、省エネルギーや資源リサイクル推進に取り組む必要がある。電気やガスの使用量を減らせば光熱費の支出も減少する。
最近では、電力消費量を料金に直して逐一表示する機器など、省エネ意識を高める製品も店頭に並ぶようになった。環境家計簿をつければ、比較的容易に毎月の電気、ガスなどの消費量をCO2排出量に換算することができる。
しかし、こまめに電気を消したり環境家計簿をつけたりする努力は長続きしない人も多いかもしれない。市民の意識を根本的に変える別の方策としては、新た
な経済的手法の導入や法規制の強化を検討することも有効であろう。たとえば、飲料の空き瓶などを販売店に返却すれば代金の一部を返してくれるデポジット制
は経済的手法の一例であり、すでに欧州主要国などが本格実施している。
<サマータイムも有効>
日の出が早まる夏場に限り、通常の午前8時を午前9時にするなど、全国的に時計の針を進めるサマータイムを導入しても効果が期待できる。政府によれば4〜10月に時計を1時間早めたら、CO2排出削減量は年162万トンに達すると試算している。
未利用技術を活用することも効果的と考えられる。例えば、マンションや一戸建ての壁や床に使う断熱材の性能を高めることは現在の技術でも可能である。窓に
は二重、三重のガラスを入れ、断熱性の高い建物を造ることで冷暖房効率を高め、エネルギー消費量を相当減らすことが可能となる。
太陽光発電や太陽熱温水器の利用もCO2削減に役立つが、最近では家庭用省エネ機器が登場した。燃焼後の排ガスが持つ熱を回収する給湯器や、CO2を冷
媒にして夜間電力を利用する給湯器も開発済みだ。こうした機器を普及させるには、価格の引き下げや補助制度の拡充といった企業努力や支援策が必要になる。
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