<異なる温暖化の寄与度>
温室効果ガスの種類は多く、それぞれの排出量や地球温暖化係数(GWP)によって温室効果への寄与度は異なる。ここでは水蒸気などを除く主要温室効果ガスに
ついて、全体の温室効果に対する寄与度を試算してみる。温室効果ガスのなかには、京都議定書で規定された6種類のガスのほか、オゾン層破壊物質としてよく
知られるクロロフルオロカーボン(CFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)なども含まれる。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の資料によると、これらのガスのうち、化石燃料の燃焼による二酸化炭素(CO2)の寄与度が約60%で最高である。
廃棄物の埋め立てなどで発生するメタンの寄与度が約20%、一酸化二窒素は約6%、冷媒に使うハイドロフルオロカーボン(HFC)、溶剤向けのパーフル
オロカーボン(PFC)、半導体製造に用いる六フッ化硫黄(SF6)は合わせても1%に満たない。
ただ、議定書が削減義務を負わせる先進国(東欧を含む38カ国と欧州委員会)の多くで、これら温室効果ガス6種の総排出量の7〜9割がCO2である。
京都議定書では対象とされないが、オゾン層保護のための条約であるモントリオール議定書が規制するフロン類、すなわち、クロロフルオロカーボン
(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハロンの温暖化寄与度は合計で14%前後となる。
<日本は4番目の排出国>
米国のオークリッジ国立研究所によると、1800年の世界のCO2排出量は3000万トンだったが、1900年には約70倍の20億トンに増えた。
世界のCO2排出量は1998年で計229億トン。最大の排出国は米国で全体の2割以上を占める。第2位は世界最大の約13億人の人口を抱える中国、3
番目に生産設備の老朽化が目立つロシアが続く。日本は4番目で、南米大陸やアフリカ大陸よりも多くのCO2を排出している。
一人当たりのCO2排出量はどうか。世界平均は約4トン。人口は多いが発展途上国の中国は3トンだけ。一方、議定書が先進国と定めたグループのうち日本は9トン、ロシアは10トン。米国は20トンにも達する。
米国は国内総生産(GDP)1ドルあたりのCO2排出量(1ドルのGDPを生み出すのにどれだけの量のCO2を排出するか)でも世界平均を大きく上回る。米国抜きでも京都議定書の発効は可能だが、米国の協力なしには世界規模で十分にCO2排出量を減らせない。
<先進国と途上国で義務に差>
このようにCO2の排出量は国ごとに異なる。温暖化対策では各国間の衡平(釣り合い)を重視する。
気候変動枠組み条約(地球温暖化防止条約)も「衡平の原則に基づき、かつ、それぞれ共通に有しているが差異のある責任及び各国の能力に従い、(中略)気候系を保護すべきである」との原則を掲げている。
京都議定書は、一人当たりの排出量は大きいが排出量を削減するための資金が豊富で技術力も高い先進国と、そうでない発展途上国の義務を区別している。先
進国だけに排出量削減の数値目標を課し、先進国の間でも事情に応じて削減量に差をつけている。
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