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15.海外での試み(1)英国は気候変動税を導入 プリント

<石炭火力発電所の建設禁止>

 これまでに紹介した自主的取り組み、経済的手法、規制的措置の三つの手法を組み合わせ、温室効果ガス排出量の効果的な削減に取り組んでいるのが欧州連合(EU)加盟国だ。気候変動枠組み条約(地球温暖化防止条約)の締約国が1997年に採択した京都議定書は、EU加盟国全体に対しては二酸化炭素(CO2)を中心とする温 室効果ガス6種の総排出量を第一約束期間(2008〜2012年)までに90年比で8%削減する義務を課した。1998年には、加盟15カ国間の協議で、 国ごとの数値目標が決まった。

 ここで、温暖化対策に最も熱心なEU主要国の先進的な取り組みを紹介する。EU主要国では、

  • (1)CO2の排出量が比較的少ない再生可能なエネルギー源の利用、
  • (2)企業間の排出権取引制度の活用、
  • (3)政府と企業間の協定と課税を組み合わせた政策などが目立つ。

 再生可能なエネルギー源とは主に風力、太陽光など自然のエネルギー源を指す。

 21%を削減するデンマークの議会は2001年5月、EUで初めて、政府に対して議定書を批准することを認めた。政府は1997年に石炭火力発電所の新 設を禁じ、全エネルギーのうち再生可能なエネルギー源の利用比率を現在の10%から2005年には、12〜14%に引き上げる計画だ。同国では電力会社間のCO2排出権取引が2001年1月に始まった。2002年には、企業などの電力需用者に購入量の一定割合を再生可能なエネルギー源 が生み出した電力とすることを義務づけたうえで「グリーン証書取引」を導入する。再生可能なエネルギー源による電力に政府が証明書を発行し、これを電力需 用者が売買する仕組みだ。

 

<産業界と協定>

 21%の削減義務を負うドイツ政府は2000年4月、配電会社に再生可能なエネルギー源による電力を買い取ることを義務づけた。同年11月には電力会社を含む産業界と協定を締結した。産業界が1990年比で2005年までにCO2排出量を28%減らし、2012年までにCO2を含む温室効果ガス6種の排出量を35%削減する。

 オランダの削減義務は6%。政府は電力や石油精製など多量のエネルギーを消費する業界の団体と、2012年までに1単位あたりの電力、製品を生産する際に使うエネルギーを世界最少に抑える協定を結んだ。

欧州諸国の主な温暖化対策

<燃料・電力使用量に課税>

 英国はEU内の割当量を超え、温室効果ガス6種の排出量を20%以上減らす計画だ。2001年4月には燃料や電力の使用量に応じて企業に課税する気候変動税 を導入した。使用エネルギー料金の15%程度が税額だ。税収の一部は再生可能なエネルギー源の利用を促す補助金などにあてる。気候変動税は、企業が政府とCO2排出量の削減やエネルギー節減を進める協定を結べば最大80%減税される。2001年3月までに40の業界団体が締結した。政府は国内における排出権取引を導入する。

 
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