地域協同実施排出抑制対策推進モデル事業

HomeJCCCAについてこれまでの事業内容地域協同実施排出抑制対策推進モデル事業カーボンスイッチキャンペーンの手引き カーボンオフセット制度導入マニュアル

カーボンスイッチキャンペーンの手引き カーボンオフセット制度導入マニュアル

事業名

カーボンオフセット制度の導入

事業概要

2005年度における我が国のエネルギー起源のCO2排出量は,基準年比13.3%増という現状にある。中でも,業務その他部門,家庭部門からの排出が増加しており,緊急の対策が必要である。これらの対策には,中小規模の事業者や住民と関わりの深い自治体の働きは重要である。
また,気候変動による被害を最小限に止める水準の二酸化炭素(CO2)濃度に安定化させるためには,将来,京都議定書に掲げられた排出削減目標をさらに上回る目標を設定する必要がある。
そこで,将来も視野に入れた「低炭素社会」,「カーボンニュートラル社会」の実現を目指して,地域の中小企業や団体,有志の住民の取組を促進するため自治体と地球温暖化対策地域協議会との連携で行う新しい事業を試行した。

【目的】
中小規模の事業者を対象に,各々の業態にあわせた自主的な二酸化炭素排出削減目標の設定と行動を誘導するとともに,自らの省エネ行動だけではなく,他の方法で排出に見合う分を相殺する又は吸収源を増加させる等の手法もあることを広く理解してもらい,その手法を社会に広げる仕組みを検討することを目的とした。

【内容】
1:カーボンスイッチキャンペーンの実施
(1)自らの事業活動や日常生活からのCO2削減を目指し,目標を立てて,その達成に向けて意識して実践をしてもらう。そのための支援ツール(エネルギー消費量実績と省エネ行動を選択することで容易に削減目標を設定できるソフト:「カーボンスイッチCO2排出算定ソフト」)を開発し,提供する。
(2)取組支援策として,必要に応じて地域の専門家(コンサルタント)等によるアドバイスを行う。
(3)各々の削減成果を証明するとともに,さらなる排出削減方法として,グリーン電力の購入等再生可能エネルギーの利用などの相殺(オフセット)手法もあることを伝え,その誘導を図る内容の参加証書を個別に発行する。
以上の取組を行う「カーボンスイッチキャンぺーン」を開始した。

2:カーボンオフセット制度の検討
あわせて「カーボンオフセット」の考え方の啓発及び削減につながる事業を行うための資金調達につなげる基金制度等の創設に向けた検討を行った。

報告概要

(1) CO2削減の目標設定と実際の削減量
2市21社がこのキャンペーンに協力・参加し,3箇月間の取組ではあるが,合計約383トン−CO2/年の削減目標(対前年比 9.3%減)を立て,その達成を目指して取り組んだ。
その結果,約102トン−CO2/年(対前年比約2.5%減)削減する成果を残した。

(2) 削減の手法
中小事業者や有志の住民を対象に,「カーボンスイッチCO2排出算定ソフト」を提供し,排出量把握と削減行動の選択,自主的な目標設定,行動実践,成果の評価を行うマネジメント手法の導入,コンサルタントの派遣による排出削減を図る。
また,相殺方法(オフセット:さらなる排出量削減に向けて,自らの省エネ行動以外に再生可能エネルギーの利用等)についての理解も深め,さらなる排出削減を誘導する。

(3) 自己の事業活動に対する課題と評価
中小規模の事業者の排出削減対策
大企業は,国レベルで経団連の自主行動計画にもとづき地球温暖化対策を進めているが,中小規模の事業者や住民の取組は遅れている。この簡易アセスメント付き企業版環境家計簿として「カーボンスイッチCO2排出算定ソフト」を提供して,自主的な行動を促し,削減成果の証明を行う参加証書を発行するこの一連のキャンペーンは,中小規模の事業者に対する有効な削減手法であるが,キャンペーン参加者の拡大を図ることが重要である。特に中小規模の事業者は自治体との関わりが深く,従って自治体の働きかけが重要であり,地域協議会等と協同して,自治体の施策として取り組むことで,その効果・成果が期待できる。
一方,中小規模の事業者にとっても,排出量の上限設定,目標達成に向けた過不足分の取引「Cap & Trade」の仕組みを経験し,学ぶ機会となり,排出削減に向けた行動のインセンティブとなることも期待できる。

カーボンオフセット制度の創設
自治体の施策としてこのオフセット制度の創設・導入には,以下の課題があげられる。
(1)排出削減の新しい手法「オフセット」への理解
直接的なCO2排出削減策だけではなく,自治体や地域の企業等による地球規模での排出削減に寄与する,排出相殺(カーボンオフセット)される自主的な取組であることについての理解を得る必要がある。
(2)削減目標の設定
自主的な削減目標という各事業者の排出量の上限(いわゆるキャップ)を設定し,達成しなければならないという自主的とはいえ義務(公約)を意識し,エネルギー源を化石燃料から再生可能エネルギーへ転換していく,また吸収量を増大させる事業に積極的に取り組む姿勢が重要である。
ただし,事業者等が目標達成のためにオフセット制度を活用するといったペナルティー的なものとして社会に誤解を与えないようにする必要がある。
(3)オフセット対象事業
「オフセット」を行う対象として,グリーン電力証書の購入や太陽光発電施設の設置支援等自然エネルギーの積極的利用,植樹等森林保全活動やそれらの活動支援,発展途上国における温室効果ガス排出削減につながるプロジェクトへの協力等があげられる。
また,各地域ですでに行われている事業や活動もあることから,種々制約もあるが,自治体が率先して,これらのプログラムに参加し,削減に寄与していることを広報することが重要である。
(4)カーボン取引市場の成長
カーボン取引という市場経済メカニズムが理解されないと,オフセットする金額やそれによる事業予算の妥当性も評価されないことから,基金による環境対策への投資の社会的価値が認められないので,今後世界各地の取引制度に関する情報収集,換算の標準化等の検討を更に進め,カーボン取引に関する具体的な提案を行っていく必要がある。
以上の課題からカーボンオフセット制度の創設と基金の設立には,まだ検討の時間が必要である。
しかしながら,2008年には京都議定書の第一約束期間を迎え,削減目標達成に向けた必要性と取引市場が成長し,成熟する可能性があり,オフセット制度の有効性も認められることが期待できることから,今から準備に取りかかることは意義あることと考えている。
自治体では,計画を策定し,自らの事業や地域内からの削減目標を持ち,実施する事業を定め,削減量などのモニタリングを行っているところもあることから,まず自治体自らの事業におけるオフセットの実施から取組を開始し,地域内の企業や有志の住民が協力するオフセット事業への拡大,そしてパートナーシップによる同事業の運営へと展開することができると考えられる。
イクレイ日本では,全世界で600を超える自治体との連携のもとで進める気候変動防止都市(Cities for Climate Protection)キャンペーンで,自治体による地域に根ざした地球温暖化防止に向けた活動の促進を行っており,我が国の自治体も,CCPキャンペーンの中で,このカーボンスィッチキャンペーンを通して,中小事業者対策の拡充とカーボンオフセット制度等新しい施策の導入を図っていきたいと考えている。

団体名

有限責任中間法人 イクレイ日本

連絡先

東京都渋谷区神宮前5−53−67 コスモス青山B2F(〒150-0001)

このページのトップへ