省エネ住宅の普及啓発事業

HomeJCCCAについてこれまでの事業内容省エネ住宅の普及啓発事業(14)亜熱帯に適した省エネ住宅を考える沖縄の挑戦

(14)亜熱帯に適した省エネ住宅を考える沖縄の挑戦

実施団体名

財団法人 沖縄県公衆衛生協会
(電話番号:098-945-2686) 

対象地域

沖縄県本島地域、環金武湾地域

連携した主体

沖縄県、沖縄の住まい研究会、沖縄振興開発金融公庫、沖縄県建築設計事務所協会、  沖縄県建築士会、環金武湾地球温暖化対策地域協議会、(財)沖縄県建設技術センター、NPO法人沖縄県都市住環境センター、(株)タイムス住宅新聞、新報リビングニュース編集室

普及啓発活動の概

(1)涼房懇話会の設置・運営
沖縄の気候風土に合あった省エネ住宅モデルの検証を目的に、県内の建築関連団体や行政、NPO等と連携し、住宅の新築・改修に関する県内の最新動向を収集(「週刊かふう9/28号」に掲載)。沖縄ならではの省エネ住宅「涼房」の基本理念を構築し、提言書にまとめた。
<涼房基本理念>
沖縄で建てられている新築住宅の9割以上は、コンクリート構造である。台風対策や白蟻対策のためであるが、反面、屋根スラブや壁面は強い日射を受けて蓄熱し、室内温度は外気より高くなる。しかし、これまでコンクリート造の断熱対策は遅れていた。外断熱工法、断熱ブロック等の使用による遮熱と断熱が行われるようになったのは最近のことである。
開口部については、「明かりと風を取り入れながら、熱を遮る」という、相反する機能が要求されるので、花ブロックや庇、外付けブラインド等による遮熱は有効である。
涼感のある住居については、涼しさの感じ方や涼しさの程度など、好みにもよるが就寝、食事、家族だんらん等、住生活の場面で異なる。自然の風は、心地よさ、さわやかさ、湿ったという心理的な感覚があり、空調による涼しさは、ひんやりした、汗が引く、乾いたという生理的な感覚である。涼感を得る方法は、風があるときは「開けて」自然の風を取り入れ、風の流れをつくる。風がないとき、または夜間は「閉じて」空調機を使うことになる。「開ける」と「閉じる」選択は住み手に任されている。ただし、沖縄の風は、涼しさだけでなく、湿気を運んでくるので必ずしも快適ではなく、カビ対策も必要であり、除湿機や空調のドライ機能の活用が欠かせない。
沖縄における涼房は、コンクリート造の住宅の遮熱化と断熱化を前提条件として、快適で健康に生活できるための住環境を整備しながら、エネルギーの消費を少なくする方向を目指した住まいづくりになる。

(2)涼房シンポジウムの開催(平成19年12月1日開催)
沖縄県内の建築士や住宅建築を考えている一般市民を対象に、地球温暖化の最新動向と省エネ住宅普及の役割、涼房検討委員会でまとめられた沖縄型省エネ住宅のあり方に関する専門的な情報共有のためのシンポジウムを実施した。
(参加者90名、うち建築関係59名(実務者、学生含む))

(3)識名園ワークショップの開催(平成19年12月24日開催)
「涼しく住まう先人の知恵を探せ!識名園ワークショップ」と題し、国宝識名園の御殿を会場に、住宅建築予定者向けのワークショップを開催し、県内の温暖化対策(冷房対策)として伝統的住まいから現代に活かす省エネの知恵を体験した。

(4)省エネ住宅セミナーの開催(全2回開催、参加者合計330名)
1) 第1回 平成19年11月27日(会場:石川市 舞天館)
テーマ:沖縄の風土に根ざした家づくり
目的:安慶名や平安座島石油基地跡地の再開発及びうるま市次世代エネルギーパーク構想と連携し、省エネ改修のヒントについて、環金武湾地球温暖化対策地域協議会メンバーや地域住民へ講演(参加者数:80名)
2) 第2回 平成20年1月20日(会場:うるま市平安座自治会館)
テーマ:地球温暖化とうるま市島嶼地域の振興を考えるセミナー
目的:平安座島石油基地跡地の再開発計画との連携で、省エネ改修のヒントについて、自治会員や地域住民へ講演(参加者数:250名)

(5)涼房小冊子とパネルの制作
涼房懇話会における検討内容をもとに、沖縄型省エネ住宅の方向性を示す事例集を取りまとめた省エネ住宅普及啓発小冊子(A5版、部分カラー、24頁)を、5,000部作成・配布。小冊子はパネル化したほか、改修関連パネルも4枚作成。イベント会場にて掲示し、来場者へ説明した。
 

(6)住宅模型の制作(2点)
1) 都市型涼房プロトタイプ・・・風土型+高気密のハイブリッドな沖縄型省エネ住宅の事例として、長寿命RC造を想定したスケルトンインフィルの模型を制作
2)風土型の典型「中村家住宅」・・・伝統的風土型住宅の典型、中村家住宅の模型を制作。風向+地形+間取り等への配慮を表現した。

普及啓発効果

(1)普及啓発効果の測定方法
シンポジウム、ワークショップ、地域セミナーの各会場においてアンケートを実施し、参加者属性を調査したほか、参加者が求める省エネ住宅及び改修の在り方に関する設問を設けた結果、根強い風土型支持の傾向があることがわかった。 

(2)効果の測定結果
事業全体の効果測定について、(財)沖縄県建設技術センターへ住宅性能評価書交付状況に基づく普及予測の分析を依頼した結果、性能評価は集合住宅供給の伸びと比例して伸延びていることがわかったほか、沖縄振興開発金融公庫が行った金融インセンティブの効果予測分析によると、県民の融資傾向として、利率や増資のメリットが少ないにもかかわらず省エネ型融資を選ぶ人が増えていることから、地道な啓発活動が有効であることがわかった。

結果とまとめ

沖縄の住宅を省エネ化するには冷房対策が必須。しかし、次世代省エネ基準に定められる内容では、鉄筋コンクリート造住宅の輻射熱による冷房効率低下に関する対策が十分ではない。一方、開放風土型の住宅では、開放型の省エネ効果の評価基準が未確立であると同時に、開口部から進入する調湿対策が課題となっている。

新聞記事への掲載状況リスト、関連リンク、その他

(1)メディア取材
・「週刊 かふう」(20万部発行。琉球新報折込住宅情報タブロイド紙)
・「住まいQ&A」省エネ住宅シンポジウム特別寄稿に掲載 (H19/11/30)
・「かふう週報」へ、シンポジウム情報掲載 (H19/11/23、同11/30)、シンポジウム体験記へ、写真付き情報掲載 (H19/12/7)
・「週刊 タイムス住宅新聞」(20万部発行。沖縄タイムス折込タブロイド紙)、トピック「沖縄型省エネ住宅を探る」に特別記事掲載 (H19/11/30)、省エネ住宅シンポ 報告コラム掲載 (H19/12/14)
(2)その他広報
・建築士に対して:建築士会、建築設計事務所協会、設備協会経由で会員へ周知
・建築を学ぶ学生に対して:県内建築関連大学学部、専門学校に徹底周知

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